共働きの毎日は、とにかく時間との戦い。「朝からバタバタで怒ってしまう」「帰宅後がカオス」「寝かしつけまでたどり着けない」——そんな日が続くと、親も子も疲れてしまいますよね。
でも、保育の現場でたくさんのご家庭を見ていて思うのは、うまく回っている家庭ほど“特別なこと”をしているわけではなく、「だいたい同じ流れ」を持っているということです。ルーティンは完璧に守るものではなく、迷いを減らして、親子の気持ちを守る仕組み。
この記事では、共働き家庭が無理なく続けやすい「朝と夜のルーティン」の作り方を、今日から試せる形でまとめます。がんばりを増やすのではなく、決める・減らす・戻れるを合言葉に整えていきましょう。

共働き家庭がルーティンを作るとラクになる理由
ルーティンがあるとラクになる一番の理由は、「次に何をするか」を考える回数が減ることです。忙しい朝や疲れた夜は、判断力が落ちやすく、ちょっとした選択(服、持ち物、順番、歯みがきのタイミング)だけでも親は消耗します。
子ども側も同じで、「今何をすればいいの?」が分からないと、遊びに流れたり、急に不機嫌になったりしがち。これは“わがまま”というより、見通しが立たない不安から起こることが多いです。
保育園でも、朝の準備やお片付けの流れが決まっていると子どもは落ち着きます。家庭でも同様で、ルーティンは親子にとって安心のレールになります。
- 迷いが減る(判断する回数が減る)
- 子どもが動きやすい(見通しが立つ)
- 怒る回数が減る(“やらせる”より“流れに乗せる”)
- 崩れても戻りやすい(やり直しが効く)
ここで大事なのは、ルーティンは「厳しいルール」ではなく、助けになる道具だということ。守れない日があってもOK。崩れたら、また次の日に戻せば十分です。

朝の支度をラクにする工夫
朝が整うと、その日一日がだいぶラクになります。逆に、朝が荒れると「もう今日は無理…」と気持ちが折れがち。朝のコツは、①準備は前夜に寄せる ②順番を固定する ③声かけを短くです。
前日の夜に準備しておくこと
朝の時間を増やすより、現実的なのは朝にやることを減らすこと。前夜に“3点だけ”用意しておくと、朝の混乱がぐっと減ります。
- 持ち物セット:連絡帳・水筒・タオル・上履きなど、玄関近くにまとめる
- 服セット:翌日の服を上下で置く(迷う時間を消す)
- 朝ごはんの下準備:パン+果物、ヨーグルト、冷凍おにぎりなど“考えなくていい形”に
ポイントは「全部やろう」としないことです。保育士的におすすめは、“朝に迷いやすいところ”だけ前夜に決めておくこと。特に、服と持ち物は効果が大きいです。
また、前夜準備を親だけで抱えると続きません。可能なら、年齢に応じて“子どもも参加”に変えていきます。
- 未就学児:靴下を出す、ハンカチを入れる
- 小学校低学年:翌日の持ち物を一緒に確認、ランドセルの定位置に置く
「手伝わせる」ではなく、「一緒にやっておくと明日ラクだね」の感覚で。できた日はしっかり言葉で認めましょう。

子どもが動きやすくなる声かけ
朝の声かけは、長い説明ほど届きにくいです。子どもが動けないときは、“やる気がない”というより、手順が多すぎて止まっていることがよくあります。
おすすめは、声かけを「一文・一指示」にすること。
- ×「早くして!着替えて!歯みがきもして!もう時間ないよ!」
- ○「まず、くつした」
- ○「次、トイレ」
- ○「歯みがき、ここでやろう」
さらに効くのが、“見通し”を渡す声かけです。
- 「着替えたら、テレビ2分ね」
- 「歯みがきしたら、玄関でぎゅーして出るよ」
- 「ここまで終わったら、ママ(パパ)も一緒に靴はく」
「ごほうびをあげる」ではなく、次の楽しみや安心を示すイメージ。特に、共働き家庭は朝に関わる時間が短い分、“最後に一回安心できる”があると子どもは落ち着きやすいです。

夜の過ごし方で翌日が変わる
夜は疲れているぶん、ルーティンの効果が最も出ます。夜が整うと、朝の準備が半分終わったも同然。ここでは「帰宅後の流れ」と「寝る前の親子時間」をセットで考えます。
帰宅後の流れを固定する
帰宅後が荒れやすいのは、親も子も一日の疲れがピークだから。だからこそ、最初の10〜15分を“型”にするとラクになります。
おすすめの基本形(例):
- 帰宅 → 手洗い → 水分補給
- 荷物は定位置へ(できれば玄関近く)
- 軽いおやつ(必要なら)
- お風呂 → ごはん → 明日の準備 → 寝る支度
すべてを完璧に回す必要はありません。大切なのは“最初の流れ”を固定すること。特に、
- 手洗い・水分
- 荷物の定位置
この2つだけでも決まると、散らかりとバタつきが減ります。
そして、帰宅直後は子どもが甘えやすい時間帯。ここで「ちょっと待って!」が続くと荒れやすいので、可能なら30秒でいいので“受け止め”を先に入れます。
- 「おかえり。会いたかった」
- 「ぎゅーしてから、手洗いしよ」
- 「今日もがんばったね」
保育士として見てきた感覚ですが、帰宅直後に短く受け止められると、その後の切り替えが驚くほどスムーズになることがあります。

寝る前の親子時間の考え方
共働き家庭の悩みで多いのが、「関わる時間が短い」ことによる罪悪感。でも、寝る前は一日の終わりで、子どもの心に残りやすい時間です。
寝る前におすすめなのは、“長く遊ぶ”ではなく、短くても毎日同じ形の安心を作ること。
- 絵本1冊(読み切れなくてもOK)
- 今日の「うれしかったこと」を1つ聞く
- ぎゅー+「大好きだよ」を言う
ここで重要なのは、親が疲れている日は「省略してもいい」と決めておくこと。たとえば、
- 絵本 → 1ページだけ
- 会話 → 「今日、何がんばった?」の一問だけ
- スキンシップ → ぎゅーだけ
“毎日100点”より、“毎日どこかで安心できる”が勝ちます。

ルーティンが崩れた日の考え方
どんなに整えても、ルーティンは崩れます。残業、急な呼び出し、子どもの不機嫌、体調不良、雨の日…。崩れるのは当たり前です。
大切なのは、崩れた日に「全部台無し」と思わないこと。崩れた日は、“最低ライン”を持っておくと心が守られます。
おすすめの最低ライン(例):
- お風呂が無理なら、体を拭いて着替える
- ごはんが無理なら、おにぎり+汁物でもOK
- 片付けが無理なら、明日朝に回す
- 寝る前は、ぎゅーだけでもする
保育士として伝えたいのは、子どもにとって一番の安心は「家が完璧に整っていること」ではなく、親が自分を責めすぎていないことです。
親が「今日は無理だった。でも大丈夫」と言えると、子どもは不思議と落ち着きやすいです。
崩れた日の声かけ例:
- 「今日はバタバタだったね。明日は一緒に戻そう」
- 「疲れた日もあるよ。ぎゅーして寝よう」
- 「できたところまででOK。明日またやろう」
ルーティンは“守るためのもの”ではなく、“戻るためのもの”。崩れた日ほど、自分にやさしくして大丈夫です。
まとめ
共働き家庭のルーティンづくりは、気合いではなく仕組みです。
前夜に寄せる・順番を固定する・声かけを短く。
そして崩れた日は、最低ラインに切り替える。
これだけでも毎日の負担は変わってきます。
今日できそうなことを、ひとつだけ選んでみてください。
「服をセットする」「玄関に持ち物を置く」「寝る前はぎゅーだけ」
——小さな一歩が、明日の余裕につながってきます。
・・・今日も一日ちはるびより
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