目次
保育施設の種類:認可と認可外
認可の施設
認可の施設は2017年現在、認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育(保育ママ)などがあり、国が定める基準をクリアして、国や自治体(都道府県、市区町村)から出るお金で運営されているものです。
国が定める基準の認可保育園では次のような規定があります。
- 設備(保育室の面積、調理室などの施設、園庭、防火、避難通路)
- 職員(人数配置、保育士資格など)
- 保育時間
- 保育内容
- 給食、衛生管理、健康診断
- 保護者との連絡
小規模保育や家庭的保育などは国の基準に沿って市区町村が基準を決めるため、地域によって内容が異なる場合もあります。
認可外の施設
何かが足らなくて、基準をクリアできなかったり、クリアできても需要の関係で認可が下りなかった施設が認可外保育施設です。認可を受けない保育ママや事業所内保育所、公的な助成を受けていないベビーホテルや託児所などもあります。
東京の認証保育所、横浜保育室なども認可外の施設になりますが、自治体から補助金を受けて運営されている施設は、基準に基づいた環境を備えているので、認可保育園に近い存在といえます。
認可保育園と認可外保育園の主な違いをまとめてみました。
認可保育園 | 認可外保育園 | |
利用できる子ども | 市区町村が定めた「保育の必要性」の2号、3号認定を受けた場合に利用できます。 | 市区町村の認定に関係なく、だれでも利用できます。 |
保育環境 | 厚生労働省の定める認可基準を満たし、保育所保育指針にそって運営されます。 | 独自の考え方で運営されています。施設によって、環境もさまざまで保育の質もにも差があります。 |
園庭 | 園庭がある施設が多いですが、都市部では園庭がなく、近くの公園を利用するところもあります。 | 園庭がある施設は少なく、近くの公園などで外遊びをしています。 |
給食 | 施設で、調理師が調理しています。家庭的保育(保育ママ)の場合は弁当持参のところもあります。 | 原則、施設で調理することになっていますが、仕出し弁当や弁当持参できるところもあります。 |
保育料 | 世帯の所得に応じた保育負担額が市区町村によって決められています。 | 施設により決められています。月払いだけでなく、保育時間による場合もあります。 |
申し込み先 | 保育の必要性の認定の申請といっしょに入園申込書類を市区町村に提出します。 | 直接施設に提出します。書類の内容も施設によって異なります。 |
設置者 | 公立と私立があります。 | 民間(私立)のみです。 |
認可保育園の運営は3タイプ:公立・私立・公設民営園
保育園を希望する方の90%は認可保育園を希望するといわれています。
そんな人気の認可保育園ですが、運営する組織と仕組みは、3つに分類されます。
公立、私立、公設民営の3つです。
公立は市区町村が設置、私立は社会福祉法人や学校法人、株式会社、NPOなど民間の事業者が設置します。また、公立園の運営を民間の事業者に委託する公設民営園も少しずつ増えています。
公立、私立、公設民営園の準拠する基準は同じです。また、同じ市区町村であれば、保育料も同じで、入園の申し込みは市区町村で行います。
それでは、おおまかな特徴を確認してみましょう。
公立の認可保育園
職員が公務員なので、保育士にベテランが多く、保育所保育指針にそった標準的な保育がおこなわれているのが特徴です。同じ市区町村内で人事異動があるので、園長も数年おきに変わります。施設間の差がない均質な保育が提供できますが、臨機応変な対応ができにくいところもあるようです。
公設民営の認可保育園
市区町村が施設を設置し、運営は民間に委託する園では、行政と事業者の相互理解が重要です。公立の良さに私立の特徴をいかしている園もありますが、建物など施設は市区町村が管理しているため、思ったように運営できない園もあるようです。
私立の認可保育園
公立の認可保育園と同じように国が定める基準を満たしていますが、独自の保育方針を持っています。系列の保育園を増やしているような施設の場合には、職員の入れ替わりが激しく、若い保育士ばかりになってしまっているところもあり、保育の質はさまざまです。
認可保育園はやっぱり一番?認可のメリットとデメリット
保育園といえば、認可保育園を希望するというくらい人気がありますが、どんな理由からでしょうか。保育料、保育が可能な年数、保育の質の3つがポイントのようです。
収入に応じた保育料でやすい
認可保育園の保育料は、世帯の所得に応じた負担額を支払います。公的な援助が受けられるので、認可外保育園に比べて安くなります。所得によって受けられる保育に格差がないこともメリットでしょう。
保育の期間、保育時間
認可保育園は保育対象が0~5歳を対象としており、いったん入園できれば、小学校入学まで、同じ園に通えますので安心です。
デメリットとしては、1日の保育時間の制限があり、延長保育の時間内でしか利用できません。夜間、休日は基本的に利用できません。また、子供が生まれて、育児休業に入ると、預かり時間が短くなり、求職中も時間の制限があります。
保育の質が充実している
認可外だから保育の質が悪いということではありませんが、認可保育園の方が、基準が厳しく、施設の広さ、保育士の人数、給食施設、防災、衛生についても、充実しているところが多いといえます。園舎や、園庭が広く、保育士もベテランが多く安心できるのはメリットでしょう。
一方、「親の代わりに保育をする」という福祉的要素が強く、サービスとしての保育ではないので、融通が利きにくいところもあります。
認可保育園と認可外保育園の違い:まとめ
保育施設の種類:認可と認可外
認可の施設
認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育(保育ママ)など、国が定める基準をクリアして、国や自治体(都道府県、市区町村)から出るお金で運営されているもの
認可外の施設
認可以外の施設で、事業所内保育所、ベビーホテルや託児所などもあります。
認可保育園と認可外保育園の違い
利用できる子ども、保育環境、園庭、給食、保育料、申し込み先、設置者などで、違いが見られます。
認可保育園の運営は3タイプ
公立、私立、公設民営園があり、それぞれの特徴があります。
認可保育園のメリットとデメリット
メリット
園舎が広く、園庭がある園が多く、保育料が安く、ベテランの保育士が多く均質な保育が期待できます。いったん入園すると、就学前まで同じ園に通うことができます。
デメリット
市区町村の規定などで、園独自の融通が利きづらいこともあります。
育児休業中は預けられる時間が短くなったり、求職中には預けられる制限があります。
・・・今日も一日ちはるびより
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