水は生きていく上でとっても大切なものです。人間の身体の重量比で、老人50%、成人60%、幼児で70%、新生児では80%は水分だといわれています。
体に必要分を全て水分を飲むことで賄っているわけではありませんが、大まかな必要量を知った上で、子どもたちには適切に水分補強ができるように心がけることが大切になってきます。
目次
子どもの1日に必要な水分量は?
必要水分量ですが、大人の場合、一般的には1日2.5リットルの水分が必要で、飲料水としてはそのうち1.2リットルくらい必要だと考えられています。
「健康のために水を飲もう」(後援:厚生労働省)
さて、子どもの場合はどうでしょうか。子どもは小さいにですが、大人と同じ汗腺を持っているため、大人と比べて、体重比では汗の量が多く、それ以外でも水分が出ていきやすくなっています。子どもの年齢によって、水分の必要量が異なりますが具体的には下の表で計算することができます。
1日に必要な水分量の計算式
- 新生児: 50~120ml/kg × 体重kg
- 乳児 :120~150ml/kg × 体重kg
- 幼児 : 90~100ml/kg × 体重kg
- 学童 : 60~ 80ml/kg × 体重kg
- 成人 : 25~ 35ml/kg × 体重kg
1日に必要な水分量、体重別の具体例
これは1日に必要な水分量で、例では次のようになります。
- 体重 3kgの新生児 150~ 360ml
- 体重 6kgの乳児 720~ 900ml
- 体重10kgの幼児 900~1000ml
- 体重20kgの学童 1200~1600ml
- 体重60kgの成人 1500~2100ml
これくらい必要だということがわかります。大人に比べても結構多い感じですよね。
子どもは想像以上に新陳代謝が激しく水分が不足気味になりやすく、子どもは遊びに夢中で、水分が足りないことに気づかなかったり、のどが渇いていることをうまく伝えられないことも考えられるので、のどの乾きを感じる前に水分補給ができるように、廻りの大人が気をつけて見守ってあげることが大切になります。特に乳幼児には注意が必要で、こまめな水分補給につとめることが重要です。
子どもの水分補給におすすめの飲み物は?
水分の補給の仕方といっても、身体の状況によって微妙に違ってきます。通常の水分補給と熱中症や脱水状態でも水分補給ではおすすめの飲み物も異なってきます。ここでは特に運動して汗が沢山でるわけではなく、脱水状態でもない通常の場合について考えてみます。
通常の身体の状態で、必要分の水分を取るわけですから、基本的には水分が摂取できれば良いわけです。できるだけ、糖分やカフェイン等が含まれていないものが良いと思います。
子どもはジュースなどの甘い飲み物が大好きです。ジュースなどの清涼飲料水には多くの糖分が含まれており、通常の水分補強には適していません。スポーツドリンクも電解質に加えて糖分が含まれているので、通常の水分補強にとっては避けたい物です。家でも小さな子どもに缶ジュースを1日に何本も飲ませているお母さんもいますが、本当にぞっとします。
水分補給におすすめは、麦茶・ルイボスティー
通常の水分補給には、水やお茶(カフェインを含まない)が適しています。カフェインを含まないお茶としては、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等のミネラルを多く含んでいる「ルイボスティー」などもありますが、どこでも一般的に手に入る「麦茶」がおすすめです。
夏の暑いときは冷たい飲み物をと考えがちですが、いつも冷えすぎた物ばかりではおなかを壊すこともあるので、適切な温度に気をつけてくださいね。また、一度に沢山飲むことも良くないので、こまめに水分補給するために時間を決めて与えることも良い方法だと思います。
大量に汗をかいたとき、運動時の水分補給の飲み物は?
大量に汗をかいた場合は、汗といっしょに体内の水分以外にナトリウム、カリウム、カルシウムやマグネシウムなどの電解質(イオン)が失われ、体内の電解質のバランスも崩れています。そこで、電解質の補給には、水分だけでなく塩分などの電解質や水分の吸収をよくするための糖分を含んだ「スポーツドリンク」や「経口補水液」が必要になってきます。これらを使うことで、手軽に水分や電解質を補給することができますよ。
最近、薬局でも見ることができるようになった「経口補水液」ですが、「スポーツドリンク」と同じように、電解質と糖分を含んだ飲み物です。「経口補水液」と「スポーツドリンク」で同じような働きがあるのですが、電解質と糖分の成分量に差があるんです。
経口補水液とスポーツドリンクの成分比較
成分 100mlあたり |
経口補水液(OS-1) | ポカリスエット | アクエリアス |
エネルギー | 10kcal | 25kcal | 19kcal |
タンパク質 | 0g | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g | 0g |
炭水化物 | 2.5g | 6.2g | 4.7g |
食塩相当量 | 0.292g | 0.12g | 0.1g |
カリウム | 78mg | 20mg | 8mg |
カルシウム | - | 2mg | - |
マグネシウム | 2.4mg | 0.6mg | 1.2mg |
リン | 6.2mg | - | - |
塩素 | 177mg | - | - |
違いは「経口補水液」の方が電解質(イオン)が多く、炭水化物(糖分)が少なくなっています。これによって、「経口補水液」の方が、より脱水症状を改善するように考えられていることがわかります。
また、「経口補水液」OS-1の説明には「医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲みください。」と注意書きがあることでもわかります。
よって一般的な運動時の水分補給としては「経口補水液」でなく「スポーツドリンク」で十分対応できると思います。
以上をわかりやすくまとめると便宜上下表のようになります。
身体の状態や飲み物による使い方の参考にしていただければと思います。
飲料水の用途による使用例
身体の状態 | 通常の水分補給 | 汗を伴う運動時 | 脱水症状が 見られる時 |
水 | ○ | △ | × |
麦茶 | ○ | △ | × |
ジュース | × | × | × |
スポーツドリンク | × | ○ | △ |
経口補水液 | × | △ | ○ |
※上の表で×は水分補給できないということではなく、相対的には適さないという意味ですので注意してください。
まとめ
子どもの1日に必要な水分量は?
・新生児: 50~120ml/kg
・乳児 :120~150ml/kg
・幼児 : 90~100ml/kg
・学童 : 60~ 80ml/kg
こまめに水分補給に心がけることがポイントです。
子どもの水分補給におすすめの飲み物は?
糖分、カフェインを含まないお茶、水がおすすめ
「水、麦茶、ルイボスティー」
大量に汗をかいたとき、運動時の水分補給の飲み物は?
脱水症状でない場合は「スポーツドリンク」
脱水症状が疑われるとこは「経口補水液」
水と健康について
「健康のため水を飲もう講座(厚生労働省)」というチラシがありますので、参考にしてください。
健康のため水を飲もう講座のちらしはこちら
・・・今日も一日ちはるびより
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