目次
1歳5ヶ月の女の子。保育所では周りのお友だちがどんどん歩き始めているのに、我が子はまだハイハイ。つかまり立ちはできるものの、下半身に力が入りにくく、大人が身体を支えて立たせようとしても、本人に“立つ気”が感じられない…。
そんな不安を抱える保護者の方は決して少なくありません。「歩かない=発達の遅れなのでは?」という心配は、ごく自然な気持ちです。
しかし、歩き始めには本当に大きな個人差があり、1歳5ヶ月で歩かないことは珍しくありません。
本記事では、歩くまでの過程、受診の目安、保育士としてみてきた姿、そして実際に上の娘1歳8ヶ月で歩き始めたわたしの家庭の実例を交えながら、不安の中にいるママ・パパに寄り添って解説しますね。
1歳5ヶ月、まだ歩かないのは遅い?よくある発達の個人差
歩き始めの平均時期は「目安」でしかない理由
「歩く時期=1歳前後」というイメージがありますが、これはあくまでも“平均”。
つまり早い子もいれば遅い子もいるということです。歩き始めの幅は10〜18ヶ月と非常に広く、1歳半前後で歩き始める子は保育士の感覚でもごく普通にいます。
1歳5ヶ月時点で歩いていなくても、発達の範囲内と考えられます。

10〜18ヶ月の幅は“普通”に存在する
厚生労働省の調査でも、歩行開始のタイミングには大きな個人差があることが示されます。
歩くという動作は、脚の筋肉だけでなく、姿勢を支える体幹、バランス感覚、好奇心、そして「歩いてみよう」という気持ちがそろったときに自然と始まるもの。
そのため、発達の順番が多少ゆっくりでも問題ない事がほとんどのようです。
家庭環境・性格・体格でも時期が変わる
慎重な性格のお子さんは、一歩を踏み出すまでに時間がかかります。逆に冒険心の強い子は多少ふらつきながらも早く歩き出す傾向があります。
さらに、家庭の環境(滑りにくい床、広さ)、兄弟の影響、遊ぶ機会などによっても歩くタイミングは変わります。
つかまり立ちはできるけれど歩かない──よくある状態?
つかまり立ちから最初の“一歩”には別の力が必要
つかまり立ちができている時点で、下半身の筋力・バランスは着実に育っています。
しかし「手を離して歩く」ためには、重心移動の感覚や自信など、もう一段階の準備が必要。
ここが整う時期は子どもによって大きく異なります。
「立たせようとすると力が抜ける」よくあるケース
保育士としても「大人が支えると力が抜けちゃう」という子は多く見てきました。これは異常ではなく、“自分のタイミングではない”“支えられると体重を預けてしまう”など自然な理由があります。
無理に立たせようとすると逆効果になることもあり、自分で立とうとする瞬間を気長に待つことが大切です。

ハイハイが長いのはむしろ良いことも
ハイハイは体幹・腕・脚をバランスよく鍛える重要な動きです。ハイハイ期が長いからといって歩きが遅れるわけではなく、長くハイハイしていた子のほうが歩き始めてから安定することもあります。
実例|1歳8ヶ月まで歩かなかった娘のエピソード
脳波検査まで受けた日。それでも「問題なし」と言われた
ここからは、実際にわたしの上の娘のエピソードです。
娘はおっとりとしており、なんと1歳8ヶ月まで一歩も歩きませんでした。周りが歩き始めていく中、娘はつかまり立ちもできず、ハイハイをする気配もまったくない状態。
近くにいた叔母も心配して、わたしも不安が募り、「何か障害があるのでは…」と思う日もありました。
検診時、大学病院を紹介してもらい受診し、脳波検査まで実施。しかし結果は「特に問題なし」。
医師からは「慎重なタイプの子は歩き出すまでがゆっくりなだけですよ」と説明され、胸をなでおろしたことを覚えています。
運命の“大晦日”。家族で食事をしたあと、突然歩いた
そして忘れられないのが、1歳8ヶ月の大晦日の夜。おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に食事をして、家族でゆったり過ごしていたときのこと。
娘がつかまり立ちから部屋の反対側から両手を広げて名前を呼ぶと、突然小さく一歩を踏み出したのです。
その瞬間を境に、まるでスイッチが入ったかのように歩く歩く。部屋の中を何度も何度も行ったり来たりし、本人も嬉しくて仕方がない様子。
大人たちも大盛り上がりで、家族みんなの笑顔があふれた大晦日になりました。

歩くのが遅くても、その後の発達に影響はなし
その後の娘は走る・跳ぶ・遊具で遊ぶなど大きな運動も問題なくできるようになり、「歩くのが遅かったせいで困った」ということは一度もありませんでした。
「ゆっくりだったけれど、娘は娘のペースでちゃんと準備していたんだ」と今では心から思えます。
当時はあんなに心配していたけど、今となっては良い想い出です。
受診したほうがいい場合の目安
経過観察で問題ないことが多い
つかまり立ちができている、伝い歩きがある、手を使った遊びや発語に問題がない場合は、歩行だけ遅くても様子見となることがほとんどです。歩行は発達の個人差が非常に大きいためです。
専門機関に相談したほうが安心できるポイント
・1歳半を過ぎてもつかまり立ちが不安定
・左右どちらかの脚をあまり使わない
・筋肉の硬さ・柔らかさが気になる
・転び方に違和感がある
こういった場合は、一度相談してみることで保護者の不安が大きく軽減します。
保健センター・小児科の活用法
保健センターでは育児相談が無料で行われ、必要に応じて発達支援センターや専門医への紹介もあります。
小児科では医学的な視点から筋緊張などをチェックしてもらえるため、「少しでも不安がある」場合の相談先として最適です。
家庭でできる歩き始めのサポート
無理に立たせないことが大切
歩行は“自発的に”始まるもの。無理に立たせようとすると、本人が怖さを感じたり、体重を支える感覚をつかめずに逆効果になることもあります。
まずは自分から立とうとする瞬間を大切にしましょう。
遊びの中で自然に足腰が育つ環境づくり
広すぎず狭すぎない、安全に動けるスペースがあれば十分です。家庭では
・低めの棚
・ローテーブル
・ソファの縁
など、つかまり立ちしやすい環境が効果的。手押し車よりも“自発的な動き”を促すことが大切です。

保育士がよく行う「1歩を引き出す遊び」
・両手を広げて「おいで〜」と呼ぶ
・お気に入りのおもちゃを少し離れた位置に置く
・立つ→座るの繰り返しを楽しめるような遊びを取り入れる
大切なのは“成功させようと急がないこと”。「行きたい」「やってみたい」という気持ちが育つと、自然と一歩が出ます。
不安と向き合うママ・パパへ(保育士からのメッセージ)
「うちだけ遅い?」は多くの保護者が感じること
保育所では本当に多くのママ・パパが同じ悩みを抱えています。
比較してしまうのは自然なこと。でも、発達は本当に一人ひとり違います。
その子のペースで育っていることを、どうか忘れないでほしいのです。
焦りを減らすための3つのヒント
・1週間単位での変化を追わない
・わずかな成長(立つ時間が長くなったなど)を喜ぶ
・気になる点は早めに相談して不安を溜めない
子どもの成長は“ある日突然”動き出すことがよくあります。
歩き始めは“その子のタイミング”
大晦日の夜に歩き始めた娘のように、「今だ!」と感じた瞬間にスッと一歩が出ることがあります。
そのときの喜びは家族にとって一生の宝物です。どうかその日が来るまで、お子さんのペースで歩む成長を温かく見守ってあげてくださいね。

まとめ
1歳5ヶ月で歩かなくても、発達の範囲内であることはよくあります。
歩き始めは10〜18ヶ月と幅があり、慎重なタイプの子はゆっくり進むことも多いものです。
必要に応じて専門機関に相談しながら、お子さんのタイミングを信じて見守ってあげてください。
・・・今日も一日ちはるびより
関連リンク
・「歩き始めが遅いときに気をつけたいポイント」
・「1歳児の運動発達を促す家庭での遊び方」
・「慎重なタイプの子どもの特徴と寄り添い方」

