一般的には「夏に風邪?」と思うこともありますが、子供の間では毎年7月、8月に流行するものに夏風邪があります。保育園でも必ずといっていいほど夏風邪でお休みする子供たちがいます。
夏風邪といわれるものは冬に流行するインフルエンザと同じようにウィルスが原因でかかります。プール熱(咽頭結膜熱)、ヘルパンギーナ、手足口病が三大夏風邪といわれています。咳やくしゃみで感染し、プール熱はプールでかかることが多いといわれています。
子供に多い夏風邪には冬の風邪とは違い特有の症状が見られます。ただの風邪と油断すると、急に高熱が出たり、下痢、嘔吐の症状が出たりすることも多く、びっくりして慌ててしまいます。むずかしい話は置いといて、発症するとどんな症状があるのか、どう対処すればよいか見ていきましょう。
目次
子供の夏風邪!高熱の症状と対処方は?
子供の夏風邪では急に高熱が出ることがよくあります。数時間前まで、元気に遊んでいると思っていたら急に元気がなくなったり、熱っぽくなったりします。 38℃以上の高熱の場合、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)が考えられます。
高熱は2~3日くらいは続きます。プール熱では長い場合は5日くらい続くこともあります。
夏風邪には有効な治療薬はなく、熱、痛みなどの症状を和らげる対症療法で回復を待つしかありません。そのためにはゆっくり休み、十分な栄養、水分を摂り無理しないことが大切です。
水分の補給は普通の水でも良いのですが、電解質の補給・維持できる市販のスポーツ飲料、経口補水液が便利です。ただ、市販のスポーツ飲料は糖分が多いので経口補水液がオススメです。こまめの水分補給をここがけましょう。
38℃以上の熱といえばかなりの高熱ですが、元気に走り回っていることもあります。そんなときは特に心配することはありませんが無理は禁物です。元気がなくぐったりしているようなら、小児科を受診し、涼しいところで、安静にすることが大切です。
熱は通常 2~3日で自然に下がります。特に高熱でなければ、解熱剤や氷で冷やすということは特には必要ありません。体温が高くなるのは、免疫力を強くするための反応ですので、無理に体温を下げると、かえって免疫力が弱くなり、症状が長引くことにつながります。
いずれにしても夏の暑いときに、熱のため汗を大量にかくので、体の汗をよく拭いたり、パジャマや下着は清潔に、脱水症状を起こさないように水分の補給に心がけましょう。
38℃を超えない程度の熱なら、シャワーあるいは軽い入浴はかまいません。
赤ちゃんや子供場合、高熱によるけいれんを起こす場合がありますので注意して見ていてください。けいれんが5分以上続くようなら合併症の可能性もあるので、小児科を受診してください。
夏風邪の原因となるウィルスは高温、多湿が大好きなので、エアコンで温度、湿度を低くすることが他の人にうつさないために有効です。
子供の夏風邪!腹痛・下痢の症状はプール熱?
夏風邪の特有の症状で、腹痛・下痢などを伴うものにプール熱(咽頭結膜熱)があります。
咳、くしゃみの飛沫に含まれたアデノウィルスが鼻や目の粘膜から体内に侵入して感染します。
小学校のプールでかかることが多いとされていますが、一年を通じて見られる病気です。
症状
- 38~40℃の高熱がでます。
- のどが赤く腫れ、痛みがあります。
- 結膜炎(目が充血し、目やにがでます。)
- 腹痛、下痢、嘔吐を伴う場合もあります。
経過
- 潜伏期間は5~7日です。
- 38~40℃の熱が2~3日、長い場合は5日くらい続くこともあります。
- のどの痛み、目の充血は3~5日続きます。
- 目の充血、目やには1週間から10日くらいかかるようです。
対処方
アデノウィルスに対する治療薬はないので、高熱、のどの痛み、結膜炎、下痢等の症状を抑える対症療法となります。
のどの痛みのため食欲がないときは、脱水症になることもあるので、水分をこまめに与えましょう。刺激のない柔らかく飲み込みやすいものから食べさせてください。 通常、おおよそ1~2週間で治ります。
プール熱は「学校において予防すべき伝染病」の第2種に指定されていますので、主な症状がなくなってから2日間は学校や保育園、幼稚園には行けません。
子供の夏風邪!のどが痛い症状はヘルパンギーナ?
夏風邪の代表格の病気で、高熱とのどが痛い症状があるのはヘルパンギーナと考えられます。
コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどが原因でかかる夏風邪で、感染者との接触、つばや便の飛沫などから感染します。発症するのは4歳以下の乳幼児がほとんどです。
のどに発疹ができ、痛むことが特徴です。発症のほとんどが4歳以下の乳幼児といわれています。
症状
- 38~39℃の高熱がでます。
- のどの奥が赤く腫れ、水疱ができ、つぶれて潰瘍になります。強い痛みを伴います。
- けいれん、嘔吐を伴うこともあります。
経過
- 潜伏期間は3~6日です。
- 熱は数日くらいでおさまり、口の中にできた発疹も消えてきます。
- だいたい1週間から10日くらいで自然に治ります。
対処方
プール熱と同様に、治療薬はないので、高熱、のどの痛み等の症状を抑える対症療法となります。
のどに水疱、潰瘍ができたり、痛みのために飲食がしにくくなることがあります。水分をこまめに与えることが大切です。
のどの痛みを刺激しないように、ヨーグルト、プリンなどの柔らかく飲み込みやすいものを食べさせるようにしてください。
伝染病指定はなく、登校、登園停止の対象外ですが、便の中に1ヶ月近くウイルスが含まれていますので、伝染防止のため排便やおむつの交換時には充分な手洗いが必要です。
子供の夏風邪!手足口の発疹の症状は手足口病?
夏風邪の中では特徴的な手、足、口に発疹や水疱ができる病気で夏から秋にかけて流行するのが手足口病です。
コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどが原因でかかる夏風邪で、感染者との接触、つばや便、水疱の内容物などから感染します。
熱がでてもそれほど高くはなりません。ほとんどの場合、自然に治り経過も良好です。
症状
- 38℃以下の熱がでることがあります。
- 手のひら、甲、足の裏、甲、口の中などに2~3mmの発疹や水疱ができます。
- 口の中の発疹は軽い痛みを伴いますが、手や足の発疹には痛みはないようです。
- 軽い下痢を伴うこともあります。
経過
- 潜伏期間は4~6日です。
- 熱がある場合も1~3日くらいでおさまり、発疹、水疱は 3~7日でなくなります。
- だいたい1週間くらいで自然に治ります。
対処方
有効な治療薬はないので、熱等の症状を抑える対症療法となります。
口の中の発疹の痛みで飲食がしにくくなることがあります。水分をこまめに与えることが大切です。
口の中の痛みを刺激しないように、ヨーグルト、プリンのような柔らかい食物、飲み込みやすいものを食べさせてください。
伝染病指定はなく、登校、登園停止の対象外ですが、便の中に1ヶ月近くウイルスが含まれていますので、伝染防止のため排便やおむつの交換時には充分な手洗いが必要です。
子供の夏風邪の特有な症状と対処方法のまとめ
子供の夏風邪!高熱の症状と対処法は?
症状
- 38℃以上の高熱が出ます。
- 高熱は数日間続きます。
対処法
- 脱水症防止のためこまめな水分補給をこころがけましょう。
- 高熱が出ても機嫌がよければ解熱剤や氷で冷やす必要ありません。
- 汗をかくので、体を拭いたりパジャマ、下着を清潔にしましょう。
- 38℃を超えない熱でも、シャワー等はかまいません。
子供の夏風邪:3大夏風邪とは?
プール熱(咽頭結膜熱)
- 38℃以上の高熱が出ます。
- のどの痛みがあります。
- 目の充血、目やにがみられます。
- 腹痛、下痢を伴うこともあります。
ヘルパンギーナ
- 38℃以上の高熱が出ます。
- のどの奥に水疱、潰瘍ができ強く痛みます。
- けいれん、嘔吐を伴うこともあります。
手足口病
- 38℃以下の熱がでることがあります。
- 手のひら、甲、足の裏、甲、口の中に発疹や水疱ができます。
- 軽い下痢を伴うこともあります。
いずれもウイルスに有効な治療薬はなく、熱を下げる、痛みを和らげる等の対症療法となります。 十分な休養、睡眠、栄養で免疫力を上げることがポイントになります。
・・・今日も一日ちはるびより
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