兄弟で性格がまったく違うのはなぜ?血液型説と環境要因を保育士が解説

園庭で兄弟がそれぞれ異なる遊びに夢中になっている様子を写した写真。やわらかな自然光の中、性格の違いが感じられる自然な距離感が伝わる。

「同じように育てているのに、どうしてこんなに性格が違うんだろう?」 子育てのなかで、兄弟への接し方が同じでも、まるで別の個性を持って育っていく姿に驚く保護者の方は多くいます。

保育園でも、兄弟で在園している家庭は多く、そのたびに「お兄ちゃんは慎重で静かに遊ぶのに、弟くんは人見知りがなくて元気いっぱい」「姉は工作が大好きだけど、妹は外遊び派」など、はっきりした違いをよく見かけます。

それは決して“育て方の差”ではなく、子ども自身の経験や家庭の変化、生まれた順番など、さまざまな要因が複雑に組み合わさって生まれるものです。

本記事では、血液型説の位置づけや、保育現場で感じる兄弟の違い、家庭で意識したい関わり方まで、じっくり丁寧に解説します。

兄弟の性格が違うと感じる瞬間とは?

保育園でもよくある「きょうだいでまったく違うタイプ」

保育士として日々子どもたちを見ていると、兄弟で性格がまったく異なるケースは本当に多く見られます。

たとえば、上の子は慎重で、遊具に挑戦する際も一つずつ安全を確かめながら進めるタイプ。一方で下の子は、園庭に出た瞬間から一直線に好きな遊具へ走っていくような、行動力にあふれたタイプだったりします。

兄弟であっても、興味の方向、関わりの仕方、他児との距離感は驚くほど違うものです。 それは「どちらが良い・悪い」ではなく、どちらもその子の伸びやすい特性と言えます。

園庭で兄弟がそれぞれ異なる遊びに夢中になっている様子を写した写真。性格の違いが自然に感じられるシーン。

家庭で見える“得意・不得意”の違い

家庭でも、上の子は読み聞かせが大好きでじっくり聞いてくれるのに、下の子は体を動かす遊びの方が落ち着く、という違いはよくあります。

また、お手伝い一つでも、上の子は時間をかけて丁寧に取り組むのに対し、下の子はテンポよく終わらせたくなる、といった違いも見られます。

これらは単なる「好み」ではなく、経験値の差や家族内のポジション、親の関わり方の微妙な変化など、多くの要素が積み重なって生まれるものなのです。

性格の差は、日常生活のほんの小さな場面にじわっと現れます。 その小さな差を理解しておくと、子どもが安心して自分らしさを発揮できる環境づくりにつながります。

兄弟で性格が違う主な理由

① 遺伝より大きい「後天的な経験」の差

兄弟の性格が異なる最大の理由は、“育つ環境と経験の違い”と思われます。 同じ親のもとで育つとはいえ、兄弟が幼児期を過ごす時期は必ずずれており、家庭の状況も同じではありません。

例えば、上の子が乳児期のころは親の育児経験が少なく、慎重な関わりが多いことが一般的ですが、下の子のときには育児に慣れており、よりリラックスした対応になることがあります。

こうした「家庭の状態の違い」「生活リズムの違い」は、性格形成に影響を与える大きな要素です。

また、兄弟は成長するうえで関わる大人や友達が異なります。 上の子は親と一対一で過ごす時間が多い一方で、下の子は兄弟や家族が常に周囲にいる状況で育つため、刺激の量が自然と違うのです。

この違いが、性格の方向性を変えていきます。

② 親との関わり方が自然に変わる影響

親は意図せずとも、第一子と第二子以降で声かけの仕方や関わり方が変化します。

たとえば、第一子には一つひとつ丁寧に説明する場面が多く、言葉数も自然と多くなります。 そのため、第一子は「理解してから行動する」「慎重に動く」傾向が生まれやすいと言われます。

一方、下の子は兄弟の様子を見ながら学ぶため、行動が早く、要領のよさが育ちやすい環境にあります。

これらは親の責任ではなく、ごく自然なプロセスです。 関わり方が違って当然であり、それが個性の広がりを生みます。

③ 兄弟間の役割(リーダー・甘えん坊など)が形成される

家庭の中では“役割”が自然に形成されます。 「上の子=しっかり者」「下の子=甘えん坊」というイメージは昔からありますが、これは単なる 固定観念ではなく、育つ環境から生まれる自然な現象でもあります。

上の子は「見本になる」「手伝う」「我慢する」場面が多く、それが経験値となって責任感が育ちます。 反対に下の子は、誰かが助けてくれる環境があるため、柔軟性や甘え方の上手さが育ちやすいのです。

④ 家庭の状況や時期による違い

親の仕事の状況、家庭の経済状態、引っ越し、祖父母との関わり方など、家庭環境は時間とともに変化していきます。

兄弟は「同じ家で育っているようで、実はまったく違う環境を経験している」のです。

たとえば、上の子の0歳期は親が育休中で関わりが多かったのに、下の子のときはフルタイム勤務で保育園生活が中心、といった違いは多くの家庭に見られます。

リビングで兄弟がそれぞれ違う遊びをして過ごす自然な家庭の一場面。

血液型は性格に影響する?研究と実際のところ

血液型性格診断の歴史と日本で広まった背景

血液型と性格を結びつける考え方は、日本で特に根強く親しまれています。 「A型は几帳面」「O型はおおらか」といったイメージは、テレビや雑誌で長年取り上げられてきたため、文化として定着しました。 しかし、これはあくまで“エンタメ的な楽しみ方”であり、科学的に証明されているものではありません。

科学研究で言われていること(相関は限定的)

国内外の研究では、血液型と性格の強い相関は認められていません。 性格は多くの要因から形成されるため、「血液型だけでは説明できない」というのが現在の一般的な見解です。 むしろ、家庭環境、経験、人との関わりなどが大きな要因を占めていると思います。

保育現場で感じる「血液型より環境の影響が大きい」理由

保育士として数多くの子どもと接してきて、ある場面ではある程度「A型だからこう」「O型だからこう」と感じることもありますが、 それよりも「環境の違い」「家庭の雰囲気」「兄弟関係」などのほうが性格に強く表れることを日々実感します。

保育室で兄弟がそれぞれ異なる遊びに集中している様子を捉えた写真風イメージ。

生まれ順と性格の関係

長子の特徴に見られやすい傾向

長子は、親との一対一の時間が長く、丁寧に関わられる機会も多いことから、責任感が育ちやすいと言われます。 また、弟や妹に譲る場面が増えることで、自然と我慢や思いやりを覚えることもあります。 ただし「こうなるべき」ではなく、傾向として理解しておくことが大切です。

下の子に多い伸び伸びタイプ

下の子は周囲に兄弟や大人がいることで刺激が多く、行動力が育ちやすい環境にあります。 また、上の子を観察しながら「どうすればうまくできるか」を早く理解するケースもあり、要領のよさが育つと言われることもあります。 とはいえ、これもあくまで傾向であり、必ずそうなるわけではありません。

一人っ子・真ん中っ子の特徴

一人っ子は大人と関わる時間が長いため、言語面が発達しやすいという報告もあります。 真ん中っ子は、上と下の両方の立場を経験することで、バランス感覚や調整力が育つこともあります。

兄弟の人数で変わる役割の違い

兄弟の人数が多いほど、家庭内の役割は細かくなり、「しっかり者」「ムードメーカー」などの立ち位置が自然と生まれます。 こうした役割は性格形成の一部になりますが、あくまでも“その家族の中での役割”であり、絶対的なものではありません。

年上の兄弟が下の子を見守りながら遊んでいる姿を写した温かい雰囲気の写真。

兄弟の性格差に悩むときの家庭での関わり方

比較しない声かけのコツ

「お兄ちゃんはできたのに」「下の子のほうが早いね」 無意識に出てしまう比較は、子どもにとってプレッシャーになり、自信を揺らしてしまうことがあります。

性格の違いは欠点ではなく個性の表れです。 「あなたにはあなたの良さがある」と伝える声かけが安心につながります。

それぞれの「得意」を伸ばす関わり

得意なことや好きなことは、子どもの自己肯定感に直結します。 兄弟が違う特性を持つのは自然なことなので、それぞれが安心して自分を出せる環境をつくることが大切です。

たとえば、静かな作業が好きな子には落ち着く空間を、体を動かしたい子には外での活動時間をしっかり確保するなど、一人ひとりに合わせる工夫が役立ちます。

衝突が多い兄弟のサポート方法

兄弟げんかは成長のプロセスでもあり、「相手を知る力」「折り合いをつける力」を学ぶ大切な場面です。 ただし、強い言葉や手が出る場面が続く場合は、早めに大人が間に入ってルールを明確にする必要があります。 子どもが安心して感情を出せる場を整えることが、衝突を減らす第一歩です。

専門機関・相談先

性格や発達について不安が続く場合は、子育て支援センター児童相談所 に相談することもできます。 保護者だけで抱え込まず、専門機関に一度相談することで気持ちが軽くなることもあります。

大人がそばで見守る中、兄弟が落ち着いて話し合う様子を撮影した写真。

兄弟の違いを楽しむために

性格の違いが“社会性を育てる”良い効果

性格の異なる兄弟と関わることで、子どもは自然と「相手を理解する」「譲り合う」「感情を言葉で伝える」といった社会性を学んでいきます。

家庭は子どもにとって最初の小さな社会。兄弟の違いは、その社会の中で育つ“宝物”のような役割があります。

家庭でできる「違いを尊重する習慣」

家庭で「あなたはこういうところが素敵だね」と個性を認める声かけを続けることは、自信にもつながり、兄弟同士の関係も柔らかくなります。

性格の違いは育児を悩ませる材料ではなく、家族の色を豊かにする大切な要素です。

家庭で親が兄弟それぞれに穏やかに声をかけている温かな雰囲気の写真。  ● ファイル名

まとめ|兄弟の違いは自然で大切な個性

兄弟の性格差は血液型ではなく、一人ひとりが育ってきた環境・経験・生まれた順番が関係しています。

違いは問題ではなく、互いの個性として尊重することで、家庭の雰囲気がぐっと穏やかになります。

子どもたちが安心して自分らしさを発揮できるよう、大人がそっと寄り添うことが大切に思います。

・・・今日も一日ちはるびより