うまくいかなくても大丈夫。失敗が教えてくれる一番大事なこと

保育園の室内。 床に座る小さな子どもの後ろ姿。 遊び道具が目の前にあるが、動きを止めて考えている様子。 表情は見えず、迷いや戸惑いが空気感として伝わる構図。

「失敗しないように」
「間違えないように」
子どもにそう願ってしまう気持ちは、とても自然なものだと思います。

転んで泣いたらかわいそう。
できなかったら自信をなくしそう。
つまずく前に、先回りして助けてあげたくなる。

それは、子どもを大切に思っているからこその気持ちですよね。

でも、保育の現場で子ども達と過ごす中で、
私は何度も感じてきました。

失敗は、子どもから奪わない方がいい学びもあるということを。

今回は、「失敗は恥ずかしくない」ということが、
なぜ子どもにとって大切なのか。
保育園での出来事や、家庭でもよくある場面を交えながら、お話ししたいと思います。

夕方の保育園の室内。 やわらかな自然光が窓から差し込み、 子ども達がそれぞれの場所で静かに過ごしている時間。

失敗=ダメなこと、になっていない?

「失敗しちゃった」
そう言うときの子どもの表情は、少し硬くなっています。

それは、失敗そのものよりも、
「どう思われるか」を気にしている表情です。

・怒られるかな
・がっかりされるかな
・恥ずかしいな

子どもは、大人が思っている以上に、
周りの反応をよく見ています。

もし、失敗するたびにため息をつかれたり、
「だから言ったでしょ」と言われたりすると、
子どもは少しずつ学んでいきます。

「失敗しない方がいい」
「できない自分は見せない方がいい」

そうやって、失敗そのものではなく、
挑戦すること自体を避けるようになることがあります。

家庭でもよくある「失敗の場面」

たとえば、お手伝いをお願いしたとき。

一生懸命やったのに、こぼしてしまった。
時間がかかってしまった。
うまくできなかった。

そんなとき、つい出てしまう言葉。

「もういいよ、ママがやるから」
「だから言ったでしょ」

忙しい中では、仕方のない場面もあります。 でも、子どもはその瞬間を、意外とよく覚えています。

「やらない方がよかったのかな」
「手伝わない方がいいのかな」

そう感じてしまうことも、少なくありません。

ある日の保育園での出来事

ある日、少し難しい運動遊びに挑戦したときのことです。

周りの子が次々にできる中で、
一人の子が何度やっても、うまくいきませんでした。

最初は笑っていたその子も、
だんだん表情が曇り、動きが止まってしまいました。

「もうやらない」
小さな声で、そう言いました。

私はすぐに励ますことも、やり方を教えることもせず、
その子のそばに座りました。

しばらく沈黙が流れたあと、その子がぽつりと話し始めました。

「できないの、はずかしい」

その言葉には、失敗そのものより、
周りと比べてしまった気持ちが詰まっていました。

「そっか、恥ずかしかったんだね」
そう返すと、その子は小さくうなずきました。

誰かに気持ちを受け止めてもらえたことで、
その子は少しずつ、呼吸が落ち着いていきました。

保育園の室内。 床に座る子どものそばに、同じ目線で座る大人の姿。 直接的な表情は映らず、横顔や後ろ姿のみが写っている。

失敗は「途中経過」

私たちはつい、
「できた・できない」
「成功・失敗」
で物事を見てしまいがちです。

でも、子どもの育ちは、一直線ではありません。

うまくいかない日があって、
できるようになったと思ったら、また戻る日があって、
行ったり来たりしながら、少しずつ前に進んでいきます。

失敗は、終わりではなく、
「今ここまで来たよ」という途中経過

そう捉えられる大人がそばにいることで、
子どもは「もう一回やってみようかな」と思えます。

大人の反応が、失敗の意味を決める

失敗したとき、
一番強く子どもに残るのは、
その瞬間の大人の表情や声です。

・大丈夫だよ
・よくやってみたね
・ここまでできたね

そんな言葉があると、
失敗は「恥ずかしいこと」ではなく、
「経験したこと」に変わっていきます。

逆に、焦りやがっかりが先に出てしまうと、
失敗は「避けるべきもの」になってしまいます。

保育園の室内。 遊び道具が置かれた空間で、 子どもを正面から評価せず、横や後ろから見守る大人の後ろ姿。 子どもは再び動き出そうとしている様子。 距離感と信頼関係が伝わる構図。

大人自身の失敗も、子どもは見ている

子どもは、大人の姿をよく見ています。

大人が失敗したとき、
どう振る舞うのか。
どう立て直すのか。

「失敗しちゃったけど、まあいっか」
「次はこうしてみよう」

そんな姿は、
子どもにとって大切な学びになります。

失敗できる場所が、挑戦を育てる

安心して失敗できる場所がある子は、
挑戦することを怖がりません。

なぜなら、
「失敗しても、ここに戻ってこられる」
と知っているからです。

失敗を避け続けることよりも、
失敗しても大丈夫だと思える経験の方が、
ずっと大きな力になります。

子どもに伝えたいこと

うまくいかなくてもいい。
間違えてもいい。
途中でやめてもいい。

あなたが挑戦したこと自体に、意味がある。

そのことを、
言葉や態度で、少しずつ伝えていけたらいいですね。

夕方の保育室の一角。 人の姿は写っていない。 床に敷かれたラグと、整理された棚、窓から差し込むやわらかな光。 一日の終わりの静けさと、安心して戻ってこられる空気感。

まとめ

失敗は、恥ずかしいものではありません。

それは、やってみた証であり、
前に進もうとした証です。

子どもが失敗したときこそ、
その子の勇気に目を向けられる大人でいたいですね。

・・・今日も一日ちはるびより

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