節分が近づくと、「保育園ではどんなことをするの?」「鬼って本当に来るの?」と、少し不安そうに話す保護者の方も少なくありません。 私自身、保育士として何度も節分行事を経験してきましたが、毎年感じるのは、節分は“できた・できなかった”を比べる行事ではないということです。
この記事では、保育園の節分について、由来やねらい、年齢別の楽しみ方、そして鬼を怖がる子への配慮まで、現場目線で丁寧にお伝えします。 家庭での節分のヒントにも触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

節分とはどんな行事?子どもにどう伝える?
節分は「季節の分かれ目」を意味する行事で、立春の前日に行われます。 昔から「悪いもの(邪気)を追い払い、元気に春を迎えよう」という願いが込められてきました。
そもそも節分ってなに?
大人にとっては当たり前でも、子どもにとって節分は少し不思議な行事です。 「どうして豆を投げるの?」「なんで鬼が出てくるの?」と疑問に思うのは、とても自然なことです。
保育園では、「心の中にあるイヤイヤや怒りんぼ鬼を、えいっと追い出す日なんだよ」と、怖さよりも意味が伝わる言葉で話すことが多いです。
鬼は「悪者」じゃなくてもいい
節分=怖い鬼、というイメージが強くなりすぎると、不安だけが残ってしまうこともあります。 そのため、保育の現場では、鬼を象徴的な存在として扱い、「誰の心にもいろいろな気持ちがあるよね」という話につなげることを大切にしています。
鬼は「倒す存在」ではなく、「向き合う存在」。 そう捉えることで、節分は子どもにとっても、安心して参加できる行事になります。
保育園で節分を行うねらい
節分は、単なるイベントではありません。 行事を通して、子どもたちはたくさんの経験を積んでいます。
行事を通して育っていく力
・季節の移り変わりを感じる力
・みんなで同じ体験をする楽しさ
・怖い、ドキドキする気持ちと向き合う経験
これらはすべて、成長の一部です。 泣いてしまったとしても、その経験自体に意味があります。
また、節分の行事には「集団の中で過ごす経験」という大切な側面もあります。 同じ空間で、同じ出来事を共有することで、子どもたちは周囲の友だちの存在を意識し始めます。
鬼を見て泣いてしまう子がいれば、平気で豆を投げる子もいます。 その様子を見て、「あ、あの子は泣いているな」「先生がそばにいるな」と感じ取ることも、実は立派な学びです。
行事の中で生まれるさまざまな感情や反応を受け止め合う経験は、日常の保育だけでは得にくい、貴重な時間だと感じています。
季節を感じる経験としての節分
節分は、冬から春へ向かう節目の行事。 製作や歌、絵本などを通して、「もうすぐ春が来るんだね」と感じるきっかけになります。

年齢別|保育園の節分の過ごし方
0・1歳児クラスの節分
この年齢では、鬼役が登場しないことも多く、雰囲気を楽しむことが中心です。 豆に見立てたボールを転がしたり、音や色を楽しんだりと、無理のない形で行います。
2・3歳児クラスの節分
少しずつ「鬼」という存在を理解し始める時期。 怖がる子もいれば、興味津々な子もいます。 無理に参加させず、距離を取って見守る選択も大切にしています。
4・5歳児クラスの節分
行事の意味を理解し、「自分の中の鬼」を考えられるようになります。 「泣き虫鬼をやっつけたい」「怒りんぼ鬼はいらないな」と、言葉にする姿も見られます。

鬼を怖がる子がいるときの配慮
節分で一番多い悩みが、「鬼を怖がって泣いてしまう」というケースです。
無理に参加させないという選択
保育園では、「みんなと同じようにできること」よりも、「その子が安心できること」を優先します。 部屋の隅で見ているだけ、保育士と一緒に過ごすだけでも十分です。
保護者の方からは、「うちの子だけ泣いてしまって申し訳なくて…」という声を聞くこともあります。 ですが、節分に限らず、行事での反応は本当にさまざまです。
泣くこと、逃げること、参加しないことは、決して悪いことではありません。 むしろ、「怖い」という気持ちをきちんと感じ、それを表現できているという見方もできます。
保育士が大切にしている声かけ
「怖かったね」「びっくりしたね」と、まずは気持ちを受け止めること。 その上で、「でもちゃんと守ってもらえたね」と、安心につなげていきます。
保育士として大切にしているのは、「その子の気持ちが尊重されたかどうか」。 行事が終わったあとに、安心して普段の遊びに戻れていれば、それで十分だと考えています。
鬼を怖がる子への関わり方を、もっと詳しく知りたい方は ▶ 節分の鬼が怖くて泣いてしまう…それって悪いこと?の記事も参考にしてみてください。
家庭で楽しむ節分のヒント
おうちでの節分は、完璧でなくて大丈夫。 保育園と同じことをしようとしなくても問題ありません。
おうち節分は「ゆるくていい」
豆まきが難しければ、新聞紙を丸めたり、絵本を読むだけでも立派な節分です。 大切なのは、「季節の行事を一緒に楽しんだ」という記憶です。
また、節分をきっかけに「今日はどんな一日だった?」と話す時間を持つのもおすすめです。 鬼の話題から、その日の出来事や気持ちに自然につながることがあります。
親子で話したい心の中の鬼
「どんな鬼をやっつけたい?」と聞いてみると、子どもの気持ちが見えてくることがあります。 正解を求めず、話を聞くだけでも十分です。
「怖かったけど、先生がいた」「豆を投げる音が大きかった」など、子どもなりの言葉で振り返ることが、気持ちの整理につながります。
節分の日の子どもの心の動きを、エピソードで読んでみたい方は ▶ 節分の日、ずっと泣いていたあの子が最後に笑った理由の記事もおすすめです。
まとめ
保育園の節分は、年に一度の特別な日であると同時に、子ども一人ひとりの感じ方を改めて知る機会でもあります。
「去年は泣いていたけれど、今年は少し遠くから見られた」 そんな小さな変化に気づけるのも、行事ならではの良さかもしれません。
怖かった思い出も、楽しかった記憶も、きっと成長の糧になります。 節分が、子どもにとっても大人にとっても、やさしい行事になりますように。
・・・今日も一日ちはるびより
関連リンク
https://chiharubiyori.com/setsubun-hoikushi-episode

