インフルエンザなどの感染症が家庭の中に入ってくるには、子供から広がってくることが結構あります。お父さんお母さんより、子供たちの方が、保育園、幼稚園、学校など、大勢のこどもたちと同じ部屋に長い時間一緒にいることが多く、感染することが多いと思われます。それに、インフルエンザにかかっていることに気づかないで、登園、登校したり、保育園では、仕事が休めないからと、ちょっと無理をしても、預けに来るお母さんもおられます。というわけで、子供たちがインフルエンザにかかって、家庭に持ち込むことが多く、気がついたら、感染がひろがって、みんなインフルエンザになってしまうこともあるわけです。このように、家庭の中で、誰かがインフルエンザやカゼにかかってしまったら、家族間の感染も心配になってきます。そこで、家庭内での感染を最小限に抑える方法を、考えてみたいと思います。
目次
インフルエンザ・かぜの家族間の感染を予防するための方法
それでは、誰にでもすぐ実行できる簡単な方法を見てみましょう。
インフルエンザにかかったら別々の部屋に
インフルエンザの感染経路は、主に「飛沫感染」「接触感染」場合によって「空気感染」が考えられます。家庭の中でうつらないようにまず行うことは、これらの経路を断つこと、インフルエンザにかかった子供たちを、できれば別室に分けられれば、大きくリスクは小さくなります。が、病気の子供たちを、ひとりでというわけにもいかないので、そんなときは、2.0m程度離れることでも、飛沫感染の可能性は低くなります。飛沫感染の感染可能距離は1.0~1.5m程度といわれています。
家族全員でマスクする
インフルエンザにかかった本人だけでなく、家族全員マスクをしましょう。これで、「飛沫感染」あるいは「空気感染」で、口や鼻にウイルスが侵入することを防ぐことができます。
また、マスクをしていると、鼻やのどの粘膜、口の中の乾燥を防いで、ウイルスが付着しても、ウイルスの感染力を弱める効果もあるようです。
こまめに手洗い・うがいを行う
「接触感染」の経路をなくすために「うがい、手洗い・・・」と良くいいますが、効果的に行うには順番が逆です。手洗い、口の中をゆすぐ(グチュ、グチュ、ペッ)、うがい(ガラ、ガラ、ペッ)の順に3段階で、行います。正しい、手洗い、うがいのしかたを確認しておきますね。
ていねいに手洗い
まずは手洗いです。手についたウイルスをこちやはなに口や鼻の粘膜に付着する前に、まず手から洗い流してしまいましょう。
ポイントは、石けんで、指の間、爪のすきま、手首まで、ていねいに洗ってください。
口の中をゆすぎます。(グチュ、グチュ、ペッ)
つぎにうがいといきたいところですが、まず、口の中の食べかすやウイルス、雑菌などを外に出すために、水を含んで、15秒以上、強くグチュ、グチュして、ゆすぎましょう。最後にペッ。
うがいは上、右、左の3段階で行う。(ガラ、ガラ、ペッ)
まず、真上を向いて、のどの奥まで、水が届くように「オーッ」と声を出しながら、15秒ぐらいとうがいします。(ガラ、ガラ、ペッ)次に上を向いて、「オーッ」と声を出しながら、ちょっと頭を右に傾けてうがいしてください。(ガラ、ガラ)頭を右に傾けると、のどの左側にうまく、水が届きます。そして最後にペッ。
最後に反対側も、頭を左側に傾けて、同じようにうがいしましょう。
水でのうがい(15秒を2回、1日3回以上実施)で、カゼの感染が40%減ったという研究データも報告されています。
こちらでダウンロードできます。 「感染症予防のための手洗いとうがいのハンドブック」
出典 川崎市幸区役所保健福祉センター衛生課
インフルエンザの感染を予防する室内環境とその他の方法
室内の温度は20℃程度、湿度は50~60%ぐらいに保ちましょう!
インフルエンザウイルスは温度が高くなるほど、活動しにくくなります。また、室内環境が乾燥するほど、活動が活発になります。また室内が密閉され、乾燥していると、咳やくしゃみによる飛沫核(大きさ0.5μm以下)が室内に長時間浮遊することになり、「空気感染」のリスクが高くなります。
室内環境の快適性、ウイルスの温度、湿度による活動を考慮すると、室温20℃湿度50~60℃がおすすめです。
加湿することにより、浮遊している飛沫核(ウイルス)が、水蒸気にくっついて、大きく重くなって床に落ちることが期待できます。床に落ちた飛沫(ウイルス)は、床がフローリング等であれば、水拭きして取り除きましょう。掃除機ではせっかく床に落ちたウイルスを、再度、空中にまき散らすことになってしまいます。換気のために時々窓を開ける方が良いということで、窓を開けると、同様に床のウイルスを空中にまき散らす恐れがあるので、注意が必要です。
小児科の医師も行っている嚥下!効果抜群おすすめ
インフルエンザの流行期には、インフルエンザを発症した多くの子供たちを診察している小児科の先生ですが、うつらないのかなあと思います。なにか、秘訣があるのかと思って、ある小児科の先生に聞いてみたことがあります。
それは、お茶を15分おきに飲んでいるということでした。飲むというか、口に含んで、のどに流し込む感じの「嚥下」をしてると、うつりにくいのだそうです。
理由はこうです。ウイルスが粘膜に付着して、20分経つと体内に取り込まれます。その前に、殺菌効果のあるお茶で、胃に流し込むのだそうです。胃にいってしまえば、消化されて、発症しないというわけです。また、お茶を飲むことで、のどや鼻の粘膜を乾燥から防ぐために相乗効果もあるようです。
数年前、この話を聞いたときに、すぐに家でやってみたのですが、このときは、「えんげ」のお陰かどうかはわかりませんが、うつらなかったことを覚えています。看病等で、インフルエンザの患者と一緒にいる場合とかは、やってみる価値がありそうです。
インフルエンザ・かぜの予防のため感染経路を知っておく
インフルエンザ・かぜの感染経路
インフルエンザ・風邪の予防を考えるなら、どうやって、感染するか、広がっているかを知ることが大切で、感染経路を知っていると、予防するにはどうすればよいかわかります。
インフルエンザの感染は、飛沫感染が最も多く、次に接触感染が多く、場合によっては、空気感染によるものもあると考えられています。
感染経路の性質を決める飛沫と飛沫核の違いは?
飛沫
大きさ 直径5μm以上 水分あり重い
到達距離は約1.0mで浮遊しない
飛沫核
大きさ 直径5μm以下 水分なし軽い
長時間浮遊するため、到達距離は長い
飛沫感染(飛沫による感染)
インフルエンザになった人が、せきやくしゃみをすることにより、ウイルスを含んだ、水滴が飛びます。それを健康な人が、口や鼻から吸い込んで、ウイルスが粘膜に付着し体内に取り込まれて、感染することを飛沫感染といいます。直径5μm以上の大きさで、およそ1mくらい飛ぶものが飛沫と呼ばれ、1回のくしゃみによりおよそ200万個、せきではおよそ10万個飛ぶといわれています。インフルエンザウイルスの飛沫感染による感染可能距離は、半径 1.0~1.5mくらいと考えられています。
対策
マスクをしましょう。2m以上離れましょう。
接触感染
接触感染は、インフルエンザになった人のせきやくしゃみ、鼻水などがついた手で、ドアノブや照明のスイッチ、テーブルなどを触ったあと、他の人が同じところを触り、その手で口や鼻をさわり、ウイルスがはいることで、感染します。
ウイルスは、ものについた場合、およそ1時間くらいで、死んでしまうようです。
対策
こまめに手洗いしましょう。むやみに口や鼻を触らないようにしましょう。
空気感染(飛沫核による感染)
飛沫から水分が蒸発して、大きさが直径5μm以下になった小さな粒子を飛沫核といいます。飛沫核は水分がなく、軽いため、空気中を長い時間浮遊することができます。飛沫核の移動距離は、1.0~1.5m以上が可能で、飛沫よりも長い距離で感染可能となります。
飛沫核のウイルスは、浮遊している場合は2~3時間くらいは生き存えることができると考えられています。
対策
室内の湿度を50~60%に保ちましょう。
まとめ
1.インフルエンザ・かぜの家族間の感染を予防するための方法
- インフルエンザにかかったら別々の部屋に、または2m以上離れる。
- 家族全員でマスクする。
- こまめに手洗い・うがいを行う。
ていねいに手洗いしましょう。
口の中をゆすぎましょう。
うがいは上、右、左の3段階で行いましょう。
2.インフルエンザ・かぜの感染を予防する室内環境とその他の方法
人に対する快適性、ウイルスの活動を考慮して、室内の温度20℃、湿度は50~60%ぐらいに保ちましょう。
小児科の医師も行っている嚥下!
お茶を15分おきに飲み、のどについたウイルスを胃に流してしまいましょう。
3.インフルエンザ・かぜの予防のため感染経路を知っておく
インフルエンザ・かぜの感染経路
飛沫感染
せきやくしゃみによる飛沫を吸い込むことでおこる感染です。
マスクをしたり、2m以上離れましょう。
接触感染
ウイルスがついた手で口や鼻に触れることでおこる感染です。
こまめに手洗い、うがいをしましょう。
空気感染
飛沫核を吸い込むことでおこる感染です。
室内の湿度を50~60%に保ちましょう。
・・・今日も一日ちはるびより