11月が近づくと、保育園でも七五三にちなんだ製作やお話を楽しむことがあります。
園から「七五三のお祝いをします」と聞くと、
「保育園ではどんなことをするの?」
「千歳飴はもらうの?」
「着物を着て登園するの?」
「まだ1歳や2歳だけど、七五三をするの?」
と気になる保護者の方もいるのではないでしょうか。
七五三というと、3歳・5歳・7歳の子どもが着物や晴れ着を着て、神社へお参りする姿を思い浮かべますよね。
でも、保育園で行う七五三は、家庭でのお祝いとは少し違います。
子どもたちが「大きくなったこと」を喜び、日本の季節の行事に親しむ機会として、絵本を読んだり、千歳飴を入れる袋を作ったり、みんなでお祝いしたりする園があります。
特別な衣装を用意する必要がない園も多く、子どもたちは普段の保育の中で七五三に触れていきます。
この記事では、保育園では七五三をどのように楽しんでいるのか、七五三の由来や保育のねらい、1歳・2歳・3歳の子どもへの伝え方、千歳飴袋の製作、家庭でできる楽しみ方まで、保育士の目線からお伝えします。

保育園の七五三ではどんなことをする?
保育園での七五三の過ごし方は、園によってさまざまです。
すべての園で七五三の行事を行うわけではありません。
七五三についてのお話を聞くだけの園もあれば、製作活動を取り入れたり、近くの神社の周辺へ散歩に出かけたりする園もあります。
活動の例としては、
- 七五三の由来について先生から話を聞く
- 七五三にちなんだ絵本を見る
- 千歳飴を入れる袋を作る
- 歌や手遊びを楽しむ
- みんなで成長を喜ぶ
- 園によっては神社の近くまで散歩する
といったものがあります。
家庭で行う七五三のように、子ども全員が着物を着て神社へお参りする行事とは限りません。
保育園では、一人ひとりの年齢や発達に合わせて、無理なく楽しめる活動を考えています。
七五三だから着物を着て登園する必要はある?
園から特別な案内がなければ、普段通りの服装でよいことがほとんどです。
「七五三だから晴れ着を着せた方がいいのかな」
と迷った場合も、まずは園からのお知らせを確認してください。
園で記念撮影を行ったり、特別な服装をお願いしたりする場合には、事前に案内があるでしょう。
何も指定がなければ、特別な準備をする必要はありません。
小さな子どもたちにとっては、動きやすく、いつも通り安心して過ごせる服装で参加できることも大切です。
七五三とは?子どもの成長をお祝いする日
七五三は、子どもがこれまで元気に育ってきたことを喜び、これからの健やかな成長を願う日本の伝統行事です。
一般的には11月15日に、3歳・5歳・7歳の子どもの成長を祝います。
ただし、必ず11月15日当日にお祝いしなければいけないわけではありません。
家族の仕事の都合や混雑を避けるため、10月や11月の別の日に神社へ行く家庭もあります。
保育園では、細かな歴史を小さな子どもに説明するというより、
「みんなが大きくなったことをお祝いする日だよ」
「元気に大きくなってうれしいね」
というように、分かりやすい言葉で伝えることが多いと思います。
どうして3歳・5歳・7歳なの?
七五三は、昔の年齢ごとの成長を祝う儀式に由来するといわれています。
**3歳の「髪置き(かみおき)」**は、髪を伸ばし始める節目の儀式。
**5歳の「袴着(はかまぎ)」**は、初めて袴を着ける儀式。
**7歳の「帯解き(おびとき)」**は、子ども用の付けひもから帯へ移る節目の儀式です。
昔は、幼い子どもが無事に成長することが、今ほど当たり前ではない時代もありました。
そのため、節目となる年齢まで成長したことを喜び、これからの健康を願う習慣が生まれたとされています。
現在では、昔の儀式そのものを行う家庭は少なくなりましたが、「子どもの成長を喜ぶ」という七五三の気持ちは今も変わっていません。
1歳や2歳の子どもも七五三に参加するの?
七五三のお祝いは、一般的には3歳・5歳・7歳の節目に行います。
ただし、家庭でのお祝いは数え年でする場合もあれば、満年齢でする場合もあります。
そのため、満年齢では2歳でも、数え年の3歳としてお祝いすることがあります。
一方、保育園では年齢に関係なく、みんなで七五三にちなんだ活動を楽しむこともあります。
1歳や2歳だから参加できない、というわけではありません。
もちろん、活動内容は園の方針によって異なります。
保育園で七五三を行うねらい
保育園で季節の行事を取り入れるときには、子どもたちにどんな経験をしてほしいかを考えます。
七五三も、ただ千歳飴をもらったり、袋を作ったりするだけの行事ではありません。
日本の伝統行事に親しむ
小さな子どもにとって、七五三の由来をすべて理解するのは難しいものです。
それでも、
「秋にはこんなお祝いがあるんだ」
「大きくなったことを喜ぶ日なんだ」
と知るだけでも、日本の季節や文化に触れる経験になります。
七夕、節分、ひな祭りなどと同じように、生活の中で自然に伝統行事に親しんでいきます。
大切なのは、難しい意味を覚えることではありません。
「今日はいつもと少し違うことをするんだな」
と感じながら、楽しい経験を重ねることです。
自分が大きくなったことを喜ぶ
七五三は、子どもの成長を振り返るよい機会でもあります。
「去年より背が高くなったね」
「自分で靴を履けるようになったね」
「お話が上手になったね」
保育士からそんな言葉をかけてもらうことで、子ども自身も少しずつ「大きくなった自分」に気づきます。
もちろん、できるようになったことだけが成長ではありません。
泣きながらでも自分の気持ちを伝えようとすること。
先生に助けを求められるようになったこと。
友だちのそばで安心して遊べるようになったこと。
そんな小さな変化も、大切な成長の一つです。
「こんなこともできるようになったね」
という喜びとともに、
「ここまで大きくなってくれてうれしいよ」
という気持ちも伝えていきたいですね。
友だちの成長も一緒に喜ぶ
保育園では、友だちと一緒に行事を楽しむ経験ができます。
友だちが作った千歳飴袋を見たり、一緒に絵本を読んだり、製作したものを見せ合ったり。
そんな活動の中で、
「みんな大きくなったね」
という気持ちを共有することができます。
もちろん、小さな子どもたちは、まだ友だちの成長を意識して喜ぶことが難しい場合もあります。
それでも、同じ場所で同じ行事を楽しむことが、友だちとの関わりを広げるきっかけになります。

1歳・2歳・3歳には七五三をどう伝える?
同じ七五三でも、年齢によって理解の仕方は違います。
難しい説明をする必要はありません。
その年齢で楽しめることを大切にしたいですね。
1歳ごろは雰囲気を楽しむだけでも十分
1歳ごろの子どもに「七五三とは何か」を理解してもらう必要はありません。
先生と一緒に絵本を見たり、きれいな飾りを見たり、製作した千歳飴袋を眺めたり。
そうした経験だけでも十分です。
「大きくなったね」
「元気でうれしいね」
と優しく声をかけてもらうことで、お祝いの温かな雰囲気を感じることができます。
まだ自分の成長を言葉で理解できなくても、大人が喜んでくれることは子どもの安心感につながります。
2歳ごろは簡単な言葉で伝える
2歳ごろになると、短い言葉の意味を少しずつ受け取れるようになります。
「七五三はね、大きくなったことをお祝いする日なんだよ」
くらいの説明で十分です。
自分でシールを貼ったり、クレヨンで模様を描いたりして、千歳飴袋を作るのも楽しい経験になります。
完成した袋を見て、
「できた!」
と喜ぶことも、行事の思い出になります。
3歳ごろは自分の成長にも気づき始めます
3歳ごろになると、「大きくなった」ということを少しずつ理解できるようになります。
「赤ちゃんのときは小さかったけれど、今はこんなに大きくなったね」
と話すと、自分の成長を喜ぶ子もいます。
また、家庭で七五三のお参りをする子は、
「着物を着たよ」
「神社に行ったよ」
と保育園で話してくれることもあります。
その一方で、家庭ごとのお祝いの仕方はさまざまです。
特別なお参りをしない家庭もあります。
保育園では、どんなお祝いをしたかを比べるのではなく、一人ひとりの成長を大切にしていきたいですね。
保育園で人気の七五三製作|千歳飴袋を作る
七五三の製作として取り入れられることがあるのが、千歳飴を入れる袋作りです。
長方形の紙袋に、子どもたちが絵を描いたり、シールを貼ったりして飾ります。
鶴や亀、松竹梅などの縁起のよい模様を取り入れることもあります。
園によって材料や作り方は違いますが、子どもたちの年齢や発達に合わせて楽しめる活動です。
1歳は手形やスタンプで楽しむ
1歳ごろなら、手形を取ったり、保育士と一緒にスタンプを押したりする方法があります。
保育士が準備した袋に子どもの手形を加えるだけでも、その年ならではの成長記録になります。
手形の大きさは、あとから見返したときに子どもの成長を感じられるものです。
「こんなに小さな手だったんだ」
と家庭でも楽しめます。
この年齢では、小さな飾りを口に入れてしまわないよう、材料の大きさや安全性にも十分配慮します。
2歳はクレヨンやシールで自分らしく
2歳ごろになると、自分でクレヨンを持って描くことを楽しむ子が増えます。
色を選んだり、好きな場所にシールを貼ったり。
「赤がいい!」
「ここに貼る!」
と、子ども自身の思いが作品に表れることもあります。
大人が「きれいに作らせよう」としすぎず、その子らしい作品を残すことが大切です。
同じ材料を使っても、出来上がる袋は一つひとつ違います。
3歳はのりや折り紙にも挑戦
3歳ごろになると、のりを使ったり、折り紙を貼ったりすることを楽しめる子もいます。
「ここに貼ってみよう」
「次は何色にしようかな」
と考えながら作ることも、製作の楽しさです。
保育士があらかじめ用意した紙の飾りを貼ったり、簡単な模様を作ったりする方法もあります。
完成した袋を大事そうに持ちながら、
「ママに見せる!」
とうれしそうにする姿も想像できますね。
製作では、完成度だけではなく、子どもが自分で選んだり、試したりする過程を大切にしたいと思います。

千歳飴にはどんな意味があるの?
七五三といえば、千歳飴を思い浮かべる方も多いでしょう。
細長い飴の形には、子どもが長く健やかに成長してほしいという願いが込められています。
「千歳」という名前にも、長寿を願う気持ちが表されています。
保育園では、
「みんなが元気に大きくなりますように、という願いが込められているんだよ」
など、子どもに伝わりやすい言葉で紹介することがあります。
保育園では必ず千歳飴をもらえる?
これは園によって違います。
本物の千歳飴を配る園もあれば、袋の製作だけをする園もあります。
食物アレルギーや誤嚥・窒息への配慮などから、食べ物を配らない園もあります。
「七五三だから千歳飴をもらえる」と決まっているわけではありませんので、園のお知らせを確認してください。
小さな子どもに千歳飴を食べさせても大丈夫?
ここは特に気をつけたいところです。
千歳飴は硬く、口の中で小さくなった飴を誤って吸い込んだり、喉に詰まらせたりする危険があります。
特に1歳から3歳くらいの子どもには、硬い千歳飴をそのまま食べさせることは避けましょう。
小さく割ったからといって、必ず安全になるわけでもありません。
千歳飴は、食べることだけが楽しみ方ではありません。
袋を飾ったり、写真を撮ったり、由来を聞いたりするだけでも、七五三に親しむことができます。
小さな子どもには、お祝いの気持ちを伝えることを優先し、食べさせることにこだわらないようにしましょう。
保育園で七五三のお参りに行くこともある?
園の近くに神社がある場合、散歩を兼ねて神社の周辺へ出かけることもあります。
ただし、すべての保育園で行うものではありません。
園の方針や子どもの年齢、安全面、家庭の文化的・宗教的背景などによって活動内容は異なります。
園内で七五三についてお話を聞いたり、絵本を読んだりするだけでも、十分に行事を楽しむことができます。
大切なのは、
「神社へ行ったかどうか」
ではなく、
「自分たちが元気に成長していることを喜ぶ」
という経験ではないでしょうか。
家庭では七五三をどう楽しめばいい?
保育園で七五三をしたからといって、家庭でも必ず何か特別なことをしなければならないわけではありません。
それぞれの家庭に合った方法で十分です。
写真を一枚残してみる
着物を着なくても構いません。
お気に入りの服を着た子どもの写真を一枚撮るだけでも、大切な成長記録になります。
数年後に見返すと、
「こんなに小さかったんだね」
と家族で楽しむことができます。
「大きくなったね」と言葉にして伝える
豪華なお祝いをしなくても、
「元気に大きくなってくれてうれしいよ」
と伝えることには大きな意味があります。
日頃は、
「早く着替えて」
「ご飯食べて」
「もう寝るよ」
と忙しく過ぎていく毎日です。
七五三の日には、少しだけ立ち止まって子どもの成長を見てみてもいいですね。
子どもと一緒に昔の写真を見る
赤ちゃんのころの写真を見ながら、
「こんなに小さかったんだよ」
「今はこんなこともできるようになったね」
と話すのもおすすめです。
子どもは、自分の赤ちゃん時代の写真に興味を示すことがあります。
「これはわたし?」
「ぼく赤ちゃんだったの?」
と、思わぬ会話が広がることもあります。
写真を見ながら、そのころの思い出を話してあげるのも素敵ですね。
七五三をきっかけに季節の行事を楽しんでみましょう
保育園では、七五三だけでなく、一年を通してさまざまな季節の行事があります。
七夕には短冊へ願い事を書いたり、笹飾りを作ったりします。
秋にはハロウィンを楽しむ園もあります。
季節の行事には、それぞれ由来があります。
でも、小さな子どもにとって最初に大切なのは、難しい意味を覚えることより、
「今日はいつもと少し違って楽しかった」
「みんなでお祝いしてうれしかった」
という経験ではないでしょうか。
子どもたちは、行事を通して季節の変化や文化に触れ、いろいろな人と一緒に過ごす楽しさを感じていきます。
家庭でも、子どもが保育園で作ったものを持ち帰ったときには、
「どんなふうに作ったの?」
「この色を選んだんだね」
と、少し話を聞いてあげるとよいでしょう。
子どもにとっては、自分が作ったものを家族に見てもらうことも、大きな喜びになります。

まとめ|七五三は子どもの「大きくなったね」を喜ぶ日
七五三は、子どもが元気に成長してきたことを喜び、これからも健やかに育つことを願う行事です。
保育園では、七五三のお話を聞いたり、絵本を見たり、千歳飴袋を作ったりしながら、子どもたちなりに行事を楽しみます。
1歳なら、お祝いの雰囲気を楽しむ。
2歳なら、自分でシールを貼ってみる。
3歳なら、自分が大きくなったことに少し気づいてみる。
楽しみ方は年齢によって違って構いません。
そして家庭でも、必ず着物を着たり、神社へお参りしたりしなければならないわけではありません。
「こんなに大きくなったね」
「元気に育ってくれてうれしいよ」
そんな言葉を子どもに伝えるだけでも、素敵な七五三になると思います。
子どもは毎日の中で少しずつ成長しています。
昨日できなかったことが、今日はできる。
でも、できたと思ったことが、またできなくなる日もある。
そんな日々を繰り返しながら、大きくなっていきます。
七五三をきっかけに、一度ゆっくりと子どもの成長を振り返ってみてはいかがでしょうか。
・・・今日も一日ちはるびより
