保育園の朝の支度が進まない!1~3歳の子どもへの声かけと時短のコツ

保育園へ行く朝に母親と一緒に身支度をする幼児

「早く着替えて!」

「もう出かける時間だよ!」

「お願いだから靴を履いて!」

朝から何度も同じことを言っているうちに、いつの間にか声が大きくなってしまう。

そんな経験はありませんか。

仕事に行かなければならないお母さんやお父さんにとって、朝は一日の中でも特に忙しい時間です。

朝ごはんを食べさせて、着替えをして、荷物を確認して、保育園へ送り届ける。

自分自身の出勤準備もあるのに、子どもはなかなか思うように動いてくれません。

やっと着替えを始めたと思ったら、途中でおもちゃを手に取って遊び始める。

靴下を履いたと思ったら、なぜか脱いでしまう。

「もう時間がない!」と思ったときに限って、「自分でやる!」と言い出すこともあります。

ついイライラしてしまい、送り出したあとで、

「あんなに怒らなくてもよかったのかな」

と気になることもあるでしょう。

でも、小さな子どもにとって、朝の支度は大人が考えるほど簡単なことではありません。

朝の支度をスムーズにするには、子どもを急がせるよりも、することを一つずつ伝え、前日の準備で朝の負担を減らすことが大切です。

この記事では、保育園の朝の支度が進まない理由、1歳・2歳・3歳それぞれの姿、子どもが動きやすくなる声かけ、家庭で取り入れやすい時短の工夫を保育士の目線からお伝えします。

朝の着替えの途中でおもちゃに夢中になる幼児

保育園の朝の支度が進まないのはなぜ?

大人は、朝起きたら顔を洗い、朝食を食べ、着替えて出かけるという流れを理解しています。

時計を見ながら、「あと何分で家を出よう」と考えることもできます。

でも、1歳から3歳くらいの子どもは、まだ時間の見通しを立てることが難しい時期です。

「あと5分で出かけるよ」と言われても、その5分がどれくらいなのか、十分に分からないことがあります。

また、大人にとっては「着替えるだけ」のことでも、子どもにとってはいくつもの動作が必要です。

遊びを途中でやめるのが難しい

朝、子どもがおもちゃで遊んでいるときに、

「もう保育園に行くから片付けて」

と声をかけても、すぐに動いてくれないことがあります。

子どもにとって、その遊びは今まさに楽しいところなのかもしれません。

積み木を高く積もうとしている途中。

お気に入りの人形にごはんを食べさせている途中。

ミニカーを並べ終わる直前。

そんなとき、急に遊びを終えるのは難しいものです。

「早くしなさい」と繰り返すより、

「この車を駐車場に入れたら、お着替えしようね」

と、遊びの終わりを分かりやすく伝える方が気持ちを切り替えやすいことがあります。

自分でやりたい気持ちが育っている

2歳ごろになると、何でも自分でやりたがる姿が増えてきます。

忙しい朝に限って、

「自分で!」

と言い出すこともあります。

お母さんやお父さんが手伝おうとすると、

「いや!」

と怒ってしまう。

でも、これは単に大人を困らせたいわけではありません。

自分でやってみたいという気持ちが育っている姿でもあります。

時間に余裕があるときは、少し待ってあげたいですね。

一方、本当に時間がないときには、全部を任せる必要はありません。

「靴下は自分で履こうね。上着は一緒に着ようか」

と役割を分ける方法もあります。

眠さや疲れが残っていることも

朝の機嫌が悪い理由は、支度そのものとは限りません。

まだ眠い。

体がだるい。

朝ごはんが進まない。

前日の疲れが残っている。

そんなこともあります。

特に、前の日にたくさん遊んだり、就寝時間が遅くなったりした翌朝は、普段より支度が進まないことがあります。

いつもより極端に元気がない、食欲がない、発熱などがある場合は、支度を急がせるより体調を確認することが大切です。

1歳・2歳・3歳では朝の支度の難しさも違います

子どもが朝の支度をどこまでできるかは、年齢だけでなく、発達や経験によって違います。

同じ3歳でも、自分で着替えたい子もいれば、まだ手伝ってほしい子もいます。

それぞれの年齢で見られやすい姿を知っておくと、必要以上に焦らずに済むことがあります。

1歳児は大人と一緒に準備する時期

1歳ごろは、身の回りのことを少しずつ覚えていく時期です。

靴下を持ってくる。

腕を袖に通そうとする。

靴を履こうとする。

そんな小さな動きが見られるようになります。

ただし、まだ一人で支度を進めることは難しいため、大人の援助が必要です。

「はい、お手てを出してね」

「次はこっちの足だよ」

と、短い言葉をかけながら一緒に進めるとよいでしょう。

朝は無理に自分でさせようとせず、できるところだけ参加してもらうくらいで十分です。

2歳児は「自分で!」と「やって!」が入り混じる時期

2歳ごろになると、自分でやりたい気持ちが強くなる一方で、まだ思ったようにできないことも多くあります。

昨日は自分で履けた靴下を、今日は「ママやって」と持ってくる。

そんなことも珍しくありません。

また、服を自分で選びたい子もいます。

忙しい朝に何枚もの服から選ばせると、かえって時間がかかることがあります。

そんなときは、あらかじめ2種類ほど用意して、

「こっちとこっち、どっちにする?」

と聞いてみるのも一つの方法です。

自分で選んだという満足感が、次の行動につながることがあります。

3歳児は自分でできることが増える時期

3歳ごろになると、少しずつ朝の支度を自分で進められる子も増えてきます。

服を着る。

靴下を履く。

バッグを持つ。

自分の靴を用意する。

ただし、できることが増えても、毎朝必ず一人でできるとは限りません。

気分が乗らない日もあります。

甘えたい日もあります。

「3歳なんだから自分でできるでしょう」と言うより、

「今日はどこからやってみようか」

と一緒に考えることも大切です。

保育園へ行く前に自分で服を着ようとする3歳児

朝の支度をスムーズにする5つの声かけ

保育園でも、子どもたちに着替えや片付けを促す場面はたくさんあります。

そのときに大切にしたいのが、子どもに分かりやすく伝えることです。

家庭でも使いやすい声かけを紹介します。

①「早くして」より「次は靴下を履こうね」

「早くしなさい!」

という言葉は、大人の焦る気持ちを伝えるには分かりやすい言葉です。

でも、小さな子どもには、何をすればよいのか分からないことがあります。

そんなときは、

「次は靴下を履こうね」

「上着を着たら出発だよ」

と、今してほしいことを具体的に伝えてみましょう。

一度にたくさんのことを言わず、一つずつ伝えることもポイントです。

②「どっちにする?」と選んでもらう

「着替えなさい」と言われると嫌がる子でも、

「赤い服と青い服、どっちにする?」

と聞かれると、興味を持つことがあります。

小さな選択肢を用意することで、自分で決めたという気持ちを持てるからです。

ただし、選択肢は多くしすぎない方がよいでしょう。

③「一緒にやろうか」と誘ってみる

朝の支度が進まないとき、

「自分でしなさい」

と言いたくなることもあります。

でも、子どもが甘えたい気分のときは、

「一緒にやろうか」

の一言で動き始めることもあります。

片方の靴下だけ手伝う。

上着のファスナーを一緒に上げる。

最初の一つだけ一緒に片付ける。

全部を大人がするのでもなく、全部を子どもに任せるのでもない。

そんな関わり方があってもよいと思います。

④「できたね」と小さな行動を認める

着替えが全部終わってから褒めるのではなく、途中の小さな行動にも目を向けてみましょう。

「靴下を持ってこられたね」

「お袖に手が入ったね」

「バッグを準備してくれたんだね」

自分の行動を見てもらえていると感じることが、次の意欲につながる場合があります。

大げさに褒める必要はありません。

見たままを自然に伝えるだけでも十分です。

⑤「終わったら○○しようね」と見通しを伝える

「お着替えが終わったら、玄関に行こうね」

「歯みがきが終わったら、バッグを持とうね」

と、次に何をするのかを伝えると、行動のつながりが分かりやすくなります。

3歳ごろなら、朝の流れを絵で示した簡単なお支度表を使う方法もあります。

ただし、表を使っても思うように進まない日もあります。

道具に頼りすぎず、子どもの様子に合わせて使うことが大切です。

忙しい朝をラクにするには前日の準備が大切

子どもへの声かけを工夫することも大切ですが、朝の忙しさを減らすためには、前日のうちにできる準備を済ませておくことも効果的です。

着る服を前日に用意する

朝になってから服を選び、靴下を探し、上着を探していると、それだけで時間がかかってしまいます。

前日の夜に、

翌日の服。

肌着。

靴下。

必要な上着。

などを一か所にまとめておくと、朝の準備が進めやすくなります。

子どもが自分で選びたい年齢なら、前日のうちに一緒に選んでおくのもよいでしょう。

保育園の持ち物は夜のうちに確認する

朝、出発しようとしてから、

「連絡帳がない!」

「着替えを入れていなかった!」

となると大変です。

園によって必要な持ち物は違いますが、前日の夜に確認しておくことで忘れ物を防ぎやすくなります。

保育園入園準備で持ち物を確認する日本人親子 保育園の持ち物リスト完全版|現役保育士が教える入園準備チェックリスト【年齢別・名前付けのコツも】

朝にすることを減らしておく

忙しい朝は、一つ予定外のことが起きるだけでも慌ただしくなります。

できる準備は夜に済ませ、朝はできるだけ簡単な流れにしておくと安心です。

例えば、通園バッグは決まった場所に置いておく、翌日の服をまとめておく、必要な提出物を先にバッグへ入れておくといった工夫です。

「これだけは前日にしておこう」ということを一つか二つ決めるだけでも、朝の気持ちに余裕が生まれることがあります。

保育園の翌日の持ち物と衣服を準備する親子

朝の支度をスムーズにする時間配分のコツ

朝の支度を楽にするためには、時間の使い方を見直すことも役立ちます。

家を出る時間から逆算する

例えば、8時に家を出たい場合は、次のような流れが考えられます。

時間朝の流れ
7:00起床・トイレ・顔を洗う
7:10朝ごはん
7:35着替え・歯みがき
7:50バッグ・靴・上着の準備
8:00出発

これはあくまで一例です。

実際には、子どもの年齢や食事のペース、家庭の生活リズムによって必要な時間は違います。

大切なのは、子どもがいつもどの場面で時間がかかっているのかを知ることです。

着替えに時間がかかるなら、少し早めに声をかける。

朝ごはんがゆっくりなら、食事の時間を十分に確保する。

家庭ごとに無理のない流れを考えてみましょう。

朝の遊びは区切りをつけやすくする

朝ごはんのあと、少し時間があるからとおもちゃをたくさん出すと、出発前に片付けが大変になることがあります。

朝は遊ぶおもちゃを少なめにする。

片付けやすいものを選ぶ。

出発直前には新しい遊びを始めないようにする。

そんな小さな工夫も役立ちます。

もちろん、朝の遊びが悪いわけではありません。

子どもにとって遊びは大切な生活の一部です。

だからこそ、「ここまで遊んだら出発」という区切りを一緒に作ってあげたいですね。

予定外のことが起きる時間も考えておく

子どもと生活していると、予定通りに進まないことがたくさんあります。

靴を履こうとしたらトイレに行きたくなる。

出かける直前に抱っこを求める。

突然、「あのおもちゃがない」と探し始める。

そんなこともあります。

可能であれば、出発前に少し余裕を持っておくと、大人も落ち着いて対応しやすくなります。

朝の支度でイライラしてしまったときは

どんなに工夫していても、朝の支度が思うように進まない日はあります。

仕事に遅れそうなとき。

子どもが何を言っても動かないとき。

何度も同じことを繰り返しているとき。

つい大きな声を出してしまうこともあるでしょう。

そんなときは、落ち着いたあとで関わり直すことを大切にしてみてください。

怒ってしまったあとは短い言葉で伝える

「さっきは大きな声になっちゃったね。ごめんね」

「急いでいたんだよ」

「一緒に準備しようね」

と、年齢に合わせた短い言葉で伝えてみましょう。

大人も気持ちを立て直しながら、子どもと関わっていけばよいのだと思います。

できない日があっても大丈夫

昨日は自分で着替えられたのに、今日は何もしない。

そんな日もあります。

子どもの成長は、毎日一直線に進むものではありません。

できたり、できなかったり。

がんばったり、甘えたり。

その繰り返しの中で少しずつ身の回りのことを覚えていきます。

朝の限られた時間に全部をできるようにしようとせず、余裕のある休日などに練習する方法もあります。

保育士が大切にしているのは「急がせること」より「自分でやってみたい気持ち」

保育園でも、着替えや片付けに時間がかかる子どもはいます。

なかなか靴下が履けない子。

洋服の前と後ろが分からなくなる子。

着替えの途中で友だちの遊びが気になる子。

そんな姿を見ると、子どもにとって身の回りのことをするのは、意外と難しいのだと感じます。

できるところは自分でやってみる。

難しいところは先生が手伝う。

一緒にできたことを喜ぶ。

こうした経験を繰り返しながら、子どもたちは少しずつ自信をつけていきます。

家庭でも同じです。

「全部自分でできるようにする」ことだけを目標にせず、「自分でやってみたい」という気持ちを大切にしてあげたいですね。

朝の支度を終え、保護者と手をつないで保育園へ向かう幼児

朝の支度が終わったら笑顔で送り出したいですね

朝の支度が思うように進まないと、保育園へ向かうころには親子ともに疲れてしまうことがあります。

でも、支度に時間がかかったからといって、その日一日がうまくいかないわけではありません。

玄関を出るときに、

「今日も楽しんできてね」

「お迎えに来るからね」

と、いつもの言葉をかけることができれば十分です。

子どもが泣いたり、保護者と離れたがらなかったりするときは、朝の支度とは別に、登園時の気持ちにも目を向けてみましょう。

保育園の門で笑顔で手を振る親子(子どもは少し涙ぐんでいるが、保育士が優しく迎えている) 登園しぶりの原因は?保育園に行きたがらない時の対応方法

また、朝なかなか起きられない日が続く場合は、夜の過ごし方や睡眠のリズムを見直してみることも大切です。

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まとめ|朝の支度は親子で少しずつ慣れていけば大丈夫

保育園の朝の支度がなかなか進まないのは、子どもがわざと困らせようとしているからとは限りません。

まだ時間の見通しが難しかったり、遊びをやめられなかったり、自分でやりたい気持ちが強かったりします。

そんなときは、

「早くして!」

を少し減らして、

「次は靴下を履こうね」

「一緒にやろうか」

「どっちにする?」

と、子どもが分かりやすい言葉に変えてみましょう。

前日の準備を少し工夫することも、忙しい朝の助けになります。

そして何より、毎朝完璧に支度を終える必要はありません。

うまくいく日もあれば、うまくいかない日もあります。

子どもが昨日より少し自分でできたこと。

今日は甘えながらも準備できたこと。

そんな小さな成長を見つけながら、親子で少しずつ朝の生活に慣れていけたらよいですね。

朝の忙しい時間が、今よりほんの少しでも穏やかな時間になりますように。

・・・今日も一日ちはるびより