保育園でお昼寝しない子はどうしてる?寝ない理由と家庭での関わり方を保育士が解説

保育園のお昼寝の時間に静かに過ごす幼児と優しく見守る保育士

「保育園で、うちの子だけお昼寝していないみたいなんです」

「みんなが寝ている時間、起きている子はどうしているんでしょう?」

「お昼寝しないと、午後は疲れてしまわないの?」

保育園の連絡帳や送迎時の会話で、お昼寝について気になることはありませんか。

家ではお昼寝しないのに、保育園ではぐっすり眠る子。

反対に、家では眠るのに、保育園ではなかなか寝つけない子。

同じ年齢でも、お昼寝の様子は一人ひとり違います。

保護者の方からすると、みんなが布団で眠っている時間に、わが子だけ起きていると心配になるかもしれませんね。

でも、保育園のお昼寝で大切なのは、全員が同じ時間に眠ることではありません。

子どもの年齢や体調、生活リズムに合わせて、安心して休息できることが大切です。

この記事では、保育園でお昼寝しない子がいる理由や、眠れない子への保育士の関わり方、1歳・2歳・3歳のお昼寝の違い、家庭でできることについて、保育士の目線からお伝えします。

保育園の午睡時間に子どもたちが休み、保育士が見守っている様子

保育園でお昼寝しない子はどうしているの?

まず、保護者の方が一番気になることからお話しします。

保育園でお昼寝をしない子がいた場合、園ではその子の様子を見ながら、安心して過ごせるように関わります。

ただし、具体的な対応は年齢や園の方針、保育室の環境などによって違います。

眠れなくても、まずは落ち着いて休めるようにする

給食が終わり、着替えやトイレを済ませると、お昼寝の準備が始まります。

カーテンを閉めたり、照明を調整したりして、保育室も少しずつ静かな雰囲気になっていきます。

子どもたちも、

「そろそろお昼寝の時間だな」

と感じ始めます。

すぐに眠ってしまう子もいれば、布団に横になってもなかなか眠れない子もいます。

そんなときには、保育士がそばで様子を見守ったり、安心できるように声をかけたりします。

眠らなくても、少し横になって静かに過ごせることがあります。

大切なのは、眠れないことを叱ったり、無理に寝かせようとしたりしないことです。

どうしても眠れない子には別の過ごし方も

しばらく休んでも眠れない子がいる場合、園によっては静かな遊びや絵本などで過ごせるようにすることもあります。

たとえば、3歳ごろになると、お昼寝を必要としない子が少しずつ出てくることがあります。

一方で、同じクラスでもぐっすり眠る子もいます。

そのため、全員に同じ過ごし方を求めるのではなく、それぞれの子どもの状態に合わせた配慮が必要になります。

ただし、別室を用意できるか、どのような活動ができるかは園の職員配置や安全管理の体制によって異なります。

「眠らなかった場合はどうしていますか?」

と担任の先生に聞いてみると、その園での対応が分かります。

保育所保育指針でも個人差への配慮が大切にされています

保育園の保育内容の基本となる「保育所保育指針」では、午睡についても、一人ひとりの発達や睡眠時間の違いを考慮し、一律にならないよう配慮することが示されています。

つまり、全員が同じ時間に眠ることだけを目的にするのではなく、子どもに合った休息を考えることが大切なのです。

保育園でお昼寝しないのはなぜ?考えられる5つの理由

お昼寝しないと聞くと、

「何か理由があるのかな?」

と気になりますよね。

でも、眠らない理由は一つとは限りません。

その日の体調や気分、家庭での睡眠、園での過ごし方など、いくつものことが関係している場合があります。

① まだ眠くなっていない

朝起きる時間が遅かったり、午前中にゆったり過ごしていたりすると、お昼寝の時間になっても眠気がこないことがあります。

子どもも大人と同じで、毎日決まった時間に必ず眠くなるとは限りません。

昨日はぐっすり眠ったのに、今日はなかなか眠らない。

そんな日があっても不思議ではありません。

② 新しい環境に慣れていない

入園したばかりの子や、進級して保育室が変わった子は、周囲が気になって眠れないことがあります。

「いつもと違うお部屋だな」

「先生はどこにいるのかな」

「ママはいつ来るのかな」

小さな子どもは、そんな気持ちをうまく言葉にできないこともあります。

特に眠るときは、安心できることが大切です。

保育園の生活に慣れ、先生との信頼関係ができてくると、少しずつ眠れるようになる子もいます。

③ 周りの音や動きが気になる

お昼寝の時間になっても、保育室には小さな生活音があります。

布団に入る音。

先生が歩く音。

友だちが寝返りをする音。

普段はあまり気にならない音でも、眠ろうとしているときには気になることがあります。

また、友だちがまだ起きていると、ついそちらが気になってしまう子もいます。

保育士は、子どもが落ち着いて過ごせるように、照明や周囲の音、布団の位置などにも気を配ります。

④ もっと遊びたい気持ちがある

2歳、3歳になると、自分のしたいことがはっきりしてきます。

「まだ遊びたい!」

「寝たくない!」

という気持ちになることもあります。

保育園で楽しく遊んでいたのに、急にお昼寝の時間になれば、気持ちを切り替えにくい子もいるでしょう。

そんなときには、

「お昼寝の時間が終わったら、また遊ぼうね」

と、次の活動を伝えてあげることもあります。

⑤ 成長とともにお昼寝が必要なくなってきた

子どもの睡眠の取り方は、成長とともに変わっていきます。

小さいころは毎日お昼寝していた子でも、少しずつ眠らない日が増えることがあります。

特に3歳ごろからは、お昼寝が必要な子と、必要としない子の違いが見られることがあります。

ただし、年齢だけで判断することはできません。

昼間眠らなくても元気に過ごせるか、夕方に疲れすぎていないか、夜は十分眠れているかなど、一日の生活全体を見ることが大切です。

お昼寝をしない幼児が保育士と静かに絵本を見ている様子

1歳・2歳・3歳ではお昼寝の様子も違います

保育園では、同じように午睡の時間を設けていても、年齢によって子どもの姿は変わっていきます。

もちろん個人差が大きいため、ここで紹介するのは一般的に見られる姿の一例です。

1歳|安心して眠れる環境が大切な時期

1歳ごろは、昼間の睡眠をまだ必要とする子が多い時期です。

午前中に歩いたり、遊んだり、食事をしたりするだけでも、たくさんのエネルギーを使っています。

給食が終わるころには眠そうにする子もいます。

その一方で、保育園に入ったばかりの子は、慣れない環境で眠れないこともあります。

いつも家で抱っこされて眠っている子が、保育園のお布団ではなかなか寝つけないこともあるでしょう。

そんなとき、保育士はその子が安心できる関わり方を探していきます。

無理に一人で寝かせようとするのではなく、子どもの様子や園の安全基準に合わせて、落ち着いて眠れるよう支えていきます。

2歳|眠いけれど寝たくないことも

2歳ごろになると、体力がついて活動量も増えてきます。

でも、まだ昼間の休息を必要とする子も多い時期です。

「眠くない!」

と言っていたのに、しばらくするとぐっすり眠ってしまう子もいます。

また、お昼寝の準備が始まると、急に遊びたくなる子もいます。

自分の気持ちを伝えられるようになったからこそ、「寝たくない」という意思表示が出てくることもあるのです。

そんなときは、気持ちを受け止めながら、落ち着いて休めるようにしていきます。

3歳|お昼寝が必要な子と必要でない子が分かれ始める

3歳ごろになると、お昼寝の様子にも違いが出てきます。

毎日眠る子。

時々眠る子。

布団に入ってもなかなか眠れない子。

同じクラスでも、一人ひとり違います。

お昼寝をしなくても夕方まで元気に過ごせる子もいれば、午後になると眠くなる子もいます。

そのため、「3歳だからもうお昼寝はいらない」「3歳でも必ず寝なければいけない」と決めつけることはできません。

その子の一日の生活や体調に合わせて考えていきたいですね。

保育士はお昼寝しない子にどう関わっているの?

お昼寝の時間には、保育士も子どもの様子をよく見ています。

「眠っているかどうか」だけではなく、落ち着いて過ごせているか、疲れが見られないかなどにも気を配ります。

眠れないことを叱らない

子どもに、

「どうして寝ないの?」

「みんな寝ているんだから寝なさい」

と繰り返し言っても、眠くなるわけではありません。

眠れないことで叱られると、お昼寝の時間そのものが嫌になってしまうこともあります。

保育士として大切にしたいのは、安心して休める雰囲気です。

「少し休もうね」

「先生、ここにいるよ」

そんな穏やかな関わりが、子どもの安心につながることがあります。

眠れない子にも安心できる居場所をつくる

ほかの子どもたちが眠っているとき、起きている子が落ち着いて過ごせる場所も必要です。

静かに絵本を見る。

保育士と小さな声で話す。

年齢や園の環境に合わせて、無理のない過ごし方を考えます。

ただし、保育園では眠っている子どもたちの安全確認も欠かせません。

眠らない子への対応と、眠っている子の見守りを両立できるよう、職員同士で連携することが重要です。

お昼寝の安全にも十分な注意が必要

午睡の時間は、ただ静かにしていればよいというものではありません。

保育園では、子どもの呼吸や寝ている姿勢、顔色などを定期的に確認し、安全な睡眠環境を整えることが求められます。

特に乳児では、仰向けに寝かせることや、顔の周りに窒息の原因となるものを置かないことなどが大切です。

眠っている子も、起きている子も、安心して過ごせる環境を整えることが保育士の大切な役割です。

眠れない子どものそばで保育士が優しく声をかけている場面

家では寝ないのに保育園では眠るのはなぜ?

「家では絶対にお昼寝しないのに、保育園では毎日寝ているんです」

そんな話を聞くこともあります。

保護者の方からすると、不思議に感じますよね。

でも、家庭と保育園では、一日の過ごし方や周囲の環境が違います。

保育園では毎日の生活に一定の流れがある

保育園では、登園してから遊び、給食、午睡へと、ある程度決まった生活の流れがあります。

毎日同じような時間に食事や休息を取ることで、子どもも次に何をするのか分かりやすくなります。

また、周りの友だちが布団に入る様子を見ることで、自分も休もうとする子がいます。

家庭では遊びを続けたがる子でも、保育園では自然と気持ちを切り替えられることがあるのです。

午前中の活動量が違うことも

園庭で遊んだり、友だちと走ったり、制作を楽しんだり。

保育園では、集団生活の中でさまざまな活動を経験します。

家庭で過ごす休日とは、体の動かし方や刺激の量が違うこともあります。

そのため、保育園では眠くなりやすい子もいるでしょう。

ただし、疲れさせれば必ず眠るというわけではありません。

活動と休息のバランスを考えることが大切です。

家庭と保育園で違っていても大丈夫

家では寝ない。

でも保育園では眠る。

反対に、家では眠るのに保育園では眠れない。

どちらも、生活する環境の違いによって起こることがあります。

大切なのは、どちらかの生活を無理に同じにすることではありません。

家庭でも園でも、その子が元気に過ごせているかを見ながら考えていきましょう。

保育園のお昼寝が長くて夜寝ないときは?

「保育園で2時間くらいお昼寝しているので、夜なかなか寝てくれません」

これも保護者の方からよく聞く悩みの一つです。

仕事が終わってから夕食やお風呂を済ませ、ようやく寝かしつけの時間になったのに、子どもはまだ元気いっぱい。

「もう少し早く寝てくれたら……」

と思うこともありますよね。

お昼寝の時間が夜の寝つきに関係する場合も

お昼寝の時間が長かったり、起きる時間が遅かったりすると、夜になっても眠くならないことがあります。

ただし、夜寝ない原因がお昼寝だけとは限りません。

朝起きる時間。

日中の活動。

夕方の過ごし方。

寝る前の習慣。

こうした生活全体が関係しています。

「保育園で寝すぎているから」と決めつけず、一日の生活を振り返ってみましょう。

お昼寝を短くしてほしいときは相談できる?

夜の寝つきが気になる場合は、担任の先生に相談してみてください。

「最近、夜なかなか寝つけなくて困っています」

「園では何時ごろから何時ごろまで寝ていますか?」

と、家庭での様子を伝えてみましょう。

園の方でも、その子の午睡や午後の様子を確認できます。

ただし、お昼寝を短くすることが必ずよいとは限りません。

昼間の睡眠が必要な子もいるため、子どもの体調や活動の様子を見ながら相談することが大切です。

家庭では寝る前の流れを整えてみる

保育園から帰ったあとの過ごし方も、夜の寝つきに関係することがあります。

例えば、

夕食を食べる。

お風呂に入る。

パジャマに着替える。

絵本を読む。

おやすみなさい。

こうした習慣を毎日ある程度同じ順番にすると、子どもも眠る時間への見通しを持ちやすくなります。

家庭での寝かしつけや夜の生活習慣については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

寝る前に絵本を読みながら穏やかに過ごす日本人親子 子どもの寝る前のルーティンはどう作る?1~3歳の寝かしつけと生活習慣

お昼寝しなかった日の帰宅後はどう過ごす?

保育園でお昼寝をしなかった日は、帰宅後にいつもと違う姿が見られることもあります。

夕方にぐずったり甘えたりすることも

お迎えのときは元気だったのに、家に帰ると急に機嫌が悪くなる。

そんなことがあります。

園では友だちと楽しく過ごしていた子も、家庭に帰ると安心して甘えたくなることがあります。

また、お昼寝をしなかった日は、疲れがたまっている場合もあります。

そんなときは、

「今日は疲れたんだね」

「少しゆっくりしようか」

と、子どもの様子に合わせて過ごしてみてください。

夕食やお風呂を少し早めてもいい

お昼寝をしなかった日は、いつもより早く眠くなることもあります。

可能であれば、夕食やお風呂を少し早めて、ゆっくり休めるようにするのも一つの方法です。

ただし、家庭によって仕事や送迎の時間は違います。

毎日理想通りに進めようとする必要はありません。

できる範囲で、子どもが無理なく休めるようにしてあげたいですね。

保育園と家庭でお昼寝の情報を共有しましょう

子どものお昼寝について気になることがあれば、保育士に遠慮なく伝えてください。

家庭ではどのくらい眠っているのか。

夜は何時に寝ているのか。

朝は何時に起きているのか。

休日はお昼寝をしているのか。

そうした情報があると、保育園でもその子の生活リズムを理解しやすくなります。

連絡帳で伝えても大丈夫

送迎時にゆっくり話す時間がない場合は、連絡帳を利用するのもよい方法です。

例えば、

「最近、夜の寝つきが遅くなっています。園でのお昼寝の様子を教えていただけるとうれしいです」

と書けば、保育士にも相談したい内容が伝わります。

あるいは、

「休日はお昼寝しない日が増えてきました。園ではどのように過ごしていますか?」

と聞いてみてもよいでしょう。

保護者と保育士が情報を共有することは、子どもの生活を支えるための大切な連携です。

連絡帳の書き方に迷う方は、こちらの記事も参考にしてください。

木製の机の上に速絡帳とベン、コーヒーや花が國かれた朝のワンシーン 保育園の連絡帳って何を書けばいい?困った日に使える例文と書き方ガイド

保育士として伝えたいこと|眠らない日も子どもなりの成長があります

保育園で子どもたちと過ごしていると、午睡の時間にもいろいろな姿が見られます。

布団に入るとすぐに眠る子。

先生のそばで安心して眠る子。

なかなか眠れず、静かに周囲を見ている子。

昨日は眠れなかったのに、今日はぐっすり眠っている子。

毎日同じとは限りません。

保育士として大切にしたいのは、眠れたかどうかだけで、その日の子どもの姿を判断しないことです。

「今日はお昼寝できなかった」

と聞くと、保護者の方は心配になるかもしれません。

でも、眠れなかったからといって、その日がうまくいかなかったわけではありません。

新しい環境に慣れようとしていたのかもしれません。

友だちと遊ぶことが楽しくて、まだ興奮していたのかもしれません。

少しずつ体力がついて、これまでとは睡眠のリズムが変わってきたのかもしれません。

だからこそ、眠らなかったという結果だけではなく、

「午後は元気に過ごせたかな」

「疲れていなかったかな」

「安心して休めていたかな」

という部分も見てあげたいと思います。

子どもは毎日少しずつ成長しています。

その変化を、家庭と保育園で一緒に見守っていけたらいいですね。

保育園から帰宅した幼児が母親とゆったり過ごしている様子

よくある質問|保育園のお昼寝について

Q.保育園でお昼寝しないと困りますか?

お昼寝をしなかったことだけで問題とは限りません。

年齢や一日の睡眠時間、午後の活動の様子などによって違います。

ただし、昼間に強い眠気が出たり、疲れて活動に参加できなかったりする状態が続く場合は、園と家庭で生活リズムを確認することが大切です。

Q.3歳になったらお昼寝は必要ありませんか?

3歳になったからといって、全員がお昼寝を必要としなくなるわけではありません。

お昼寝が必要な子もいれば、眠らずに過ごせる子もいます。

年齢だけで判断せず、その子の様子に合わせて考えていきましょう。

Q.保育園でお昼寝をしない子は、ずっと布団にいなければいけませんか?

園の方針や保育室の環境によって対応は異なります。

保育所保育指針では、子どもの個人差に応じた午睡への配慮が求められています。

実際にどのように過ごしているのかは、担任の先生に確認してみてください。

Q.お昼寝のことで専門家に相談した方がよい場合はありますか?

睡眠の悩みが長く続き、日中の生活に支障が出ている場合や、大きないびき、眠っている間の呼吸の異常などが気になる場合は、小児科などに相談してください。

まとめ|保育園のお昼寝は「みんなと同じ」よりその子に合った休息を

保育園のお昼寝は、子どもにとって大切な休息の時間です。

でも、全員が同じ時間に眠れるわけではありません。

すぐに眠る子。

なかなか眠れない子。

日によって眠ったり眠らなかったりする子。

それぞれに違いがあります。

大切なのは、お昼寝をしたかどうかだけではなく、その子が一日を安心して過ごせているかということです。

家では寝ないのに保育園では眠る。

保育園では眠らないのに家では眠る。

そんな違いがあっても、すぐに心配しすぎる必要はありません。

気になることがあれば、担任の先生と家庭での様子を伝え合いながら、子どもに合った過ごし方を考えていきましょう。

そして、お昼寝をしなかった日にも、

「今日も保育園で楽しく過ごせたかな」

と、子どもの一日を温かく受け止めてあげたいですね。

眠ることも、休むことも、そして元気に遊ぶことも。

その全部が、子どもの成長につながる大切な時間なのだと思います。

・・・今日も一日ちはるびより